「歯みがき後は、水で何度もうが良いのでしょうか?」
結論から先に申し上げます。フッ素入り歯みがきでよくみがいたあとは、何度
もうがいをしてはいけません。歯みがき剤の薬理効果を期待する場合、できるだけブクブクうがいはしない方が良いんです。
むし歯予防にフッ素(フッ化物)入りの歯みがき剤を使って、素晴らしいと思いま
す。ただ残念なのが「うがい」の仕方なんです。フッ素を使ってむし歯予防の効果を上げるに
は、ちょっとしたコツがあります。
それは、歯みがき後にフッ素を口のなかに長く留めること。そのため、うがいはできれば「最
低限」にしてほしいんです。
歯みがき剤をたっぷりと歯ブラシにとって歯みがきをしたら、10~15mlくらい(少ない
でしょう?)の水で、軽くクチュッとして吐き出します。すると、フッ素が口のなかにしっか
り残ります。2時間ほど飲食せずに過ごすと、残ったフッ素のイオンが大活躍。歯の表面を酸
に溶けにくく強化したり、歯みがきで取り残したプラークのなかに浸透してむし歯菌の活動を
抑えてくれるのでとくに就寝前はその後飲食しませんし、寝ているあいだ唾液が減ってフッ素
イオンが流されにくいのでチャンスなんです。

歯みがきをいくらていねいにしても、プラークを100%除去するなんてできませんよね?
だったら残ったプラークのなかにフッ素イオンを送り込んで、予防に使っちゃおうというわけ
です。とってもいい方法でしょう?手間要らずで、もちろん大人にも効果があります。
今の歯みがき剤は、薬剤の効果がバッチリ発揮されて、さすが「医薬部外品」です。単なる清
涼剤とは違うんですよ。歯みがき剤を買うときには「医薬部外品と書いてあるかな?」と見て
くださいね。そうそう、成分表示の「フッ化〇〇」、「フッ素」配合の確認もお忘れなく。
ただし、さすがのフッ素も歯みがきをサボってコテコテに熟成したプラークのなかには入り込
めません。歯みがきをふだんしていて、でも取り残しちゃった、というようなフレッシュなプ
ラークによく浸透します。

それから、「やっぱりうがいをよくしないとスッキリしない」というかたは、うがいのあとに
フッ素洗口をしたり、ジェルやフォームでフッ素を補うといいですよ。
”むし歯予防の効果を高めるならせっかくのフッ素が口のなかに留まるように少しの水で、一
度だけのうがいがおすすめ。うがいのし過ぎはもったいないですよ。”
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