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人生の設計はお口の健康から

人生の設計はお口の健康から 〇人間の平均寿命と歯の平均寿命の比較 人間の平均寿命は男性が約80才、女性が約86才です。 しかし、歯の平均寿命は58年です。これは歯が萌出し始める、6才から完全に生え そろう14才がスタート地点となるため、単純計算で平均すると64才から72才の間に 歯がほとんどなくなります。つまり晩年は10年~15年くらい誰もが、歯が無い人生 を送る計算になってしまいます。 そこで、健康寿命と平均寿命という言葉をご存知でしょうか。 〇健康寿命と平均寿命 平均寿命とは人間がこの世に生まれてから生存できる年数のことですが、男性は80 年、女性は86年(厚労省)です。長寿大国の日本では、90才まで生きることもめず らしくありません。これに対し健康寿命という言葉をご存知でしょうか? これは、心身ともに自立し、自分一人で活動的に生活できる健康な状態での生存期 のことで、男性は71才、女性は74才という数字が出ています。つまり男性は約9 年、女性は約12年以上もの間、健康を害することによって、もしくは認知症の問題 によって、介護等が必要となってしまうのです。これを不健康寿命と考えて下さ い。これは歯を喪失する年齢とほとんど一致しているのです。 〇なぜ晩年は自立できない生活を送らざる得ない人が多いのか? つまり不健康な晩年がほとんどの人に待っていることになります。歯がなくなる と、不健康になるということです。できれば、年を重ねても福祉や介護に依存する ことなく自立した生活を営める生活、生きがいを持って前向きに人生を楽しんでい ける晩年を迎えたいものです。寝たきりや認知症の状態でずっと長生きするより は、自分の身の回りのことができ社会参加もできるような生活を少しでも長く続け たいと思うのは誰でも同じではないでしょうか? 〇健康寿命のカギはお口のクリーニングにあり! 人生を楽しみながら自立して長生きするためには、できるだけ長く健康でいるこ と、つまり少しでも健康寿命を延ばす必要があります。健康寿命を縮め、寝たきり や介護が必要な状態を招く大きな原因として、糖尿病や、高血圧をはじめとした生 活習慣病が挙げられます。また加齢に伴う身体機能や認知機能の低下も健康寿命を 脅かします。 注目すべきは、このように健康寿命を縮めている原因のほとんどが、口の中とかか わりあるということです。口の中をよい状態にキープすることには、若い頃からき ちんとケアを始めることが理想的です。 〇歯周病とその他の病気の発生率について 口の中が良好な人は、そうでない人よりも医療費がかかりません。口の中が健康な ひとほど様々な慢性疾患にかかりづらくなります。つまりそれだけ免疫力が強く、 病気にもかかりにくいといえます。逆に口の中の状態が悪い人ほど、栄養面でも問 題をかかえていることが多く、免疫力も低下しています。つまり慢性疾患を引き起 こしやすく、結局色々な病気を引き起こしやすくなり悪化すると、医療や福祉に依 存し、不健康寿命が長くなってしまいます。 まずは、むし歯や歯周病に対してきちんと対応しましょう。そして、今後再びむし歯や 歯周病を発生させず、1本も歯を失わないように、ご家庭での予防、クリニックで定 期的なメンテナンスは絶対に欠かしてはいけないと覚えておいて下さい。              

静かに進行する沈黙の病気

先週、歯ぐきが腫れて痛くて参ったよ。歯医者の予約、夕方に入れてあったんだけど 平気になってきたぞ?キャンセルしちゃお。 ”痛い時は「先生、今すぐお助けをー!」って感じ。でも、前もそうだったけど、何日かすると 治るんだ。膿が出たからかな。自分って自己治癒力高い?「あ、〇〇です。すいませーんキャ ンセルで」” どうやらその症状は歯周病ですね。疲れたときなんかに、一時的に歯ぐきが腫れて痛むんでしょ う?で、放っておくと症状が治まる。何度か繰り返しているようだし、このままではまずいな あ。 歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれているの、知ってます??まったく痛みがないままゆっくりと炎症が進んで、歯を支える骨が破壊され、ついには歯を失ってしまうという困った病気なんです。 とはいってもまったく症状がないわけではない。歯ぐきから血が出たり、歯ぐきが浮くような 感覚があったり。でも痛まないから放っておく人が多いんだよね。で、もっと進んじゃうと、 からだの抵抗力が落ちたときなんかに、ワッと急性の症状が出るんだ。歯ぐきが腫れたり、膿 が出たり、痛んでとてもつらい。 だけど、からだに抵抗力が戻ってくると、急性の炎症は治まって痛みも引っ込んでしまう。一 見治ったように見えるけど、これは残念ながらそうではない。歯周ポケットのなかで炎症を起 こしている歯周病菌を徹底的に減らさない限り火元は消えないし、歯を支える骨はジワジワと 破壊され続けてしまう。だから、その予約をキャンセルしないで、どの程度の症状なのか、ぜ ひ診せてください。 治療方法は、手間と根気はいるけど非常に明確。ポケットのなかや歯の根についた細菌の巣 「プラーク」(歯垢)を取り除き、歯周病菌を減らして炎症を止める。スケーリングやルート プレーニングという外側からの掃除で治療するのですが、あまりに深くプラークが入り込んで 外側から掃除しきれないときは、歯ぐきを切開し、すみずみまできれいにします。 これらは細菌を減らすのが目的だから、じつは患者さんの歯みがきも立派な治療なんです。で も、深い歯周ポケットの奥に歯ブラシは届かないし、プラークが石灰化した硬い歯石は自分 じゃ取れないのです。そこで、われわれの腕が必要となるわけ。 ただ、治療には限界がある。重度だと手の施しようのないこともあるので、手遅れにならない うちに治療をはじめましょう! ”そのキャンセル待った!!このまま痛みや腫れを放っておくとついには歯が抜けちゃいます よ。http://cyber-digital.jp/dental-flash/ h/    

なぜ日本人の75歳の90%が入れ歯なのか?

えーっ?3ヶ月後にまた来るんですかあ?!治療って今日で終わりじゃなかったんでし たっけ?むし歯3本も被せたんだし。もうこれで通わないですむと思って、ヤッター!っ て思ってたんですけどぉ。痛くもないのに、来たってやることないでしょー。 日本では歯科の定期受診がなかなか広がりません。私も数十年来「定期受診を!」と呼 びかけているのですがね。 「むし歯や歯周病は歯科医院に通って予防するのが当たり前。なぜにむざむざ病気にま るまで放っておくのか?」とい先進国での予防の考え方で私は歯科医をやってきただけに、「治療のとき だけ歯医者へ行く」という習慣にはがっくりです。日本人の2%しか定期検診(クリーニング)を受けていないようで、その数値が物語るように、日本人の75歳の90%が入れ歯をしようしています。 しかし、あきらめず声を大にして言いましょう。「定期受は必須です!」 むし歯というのはむし歯菌の感染によって起き、口のなかにむし歯菌がたくさんいる人ほ ど、むし歯のリスクが高くなります。3本もむし歯を治したという話からすると、どうや らむし歯菌が口のなかにウジャウジャいるのでは?ひとまず治療を終えたそうですが、 このままではまたむし歯ができてしまいますよ。 とくに、被せた歯(被せ物の土台になっている天然歯)は、削ってある分むし歯になり やすいし、土台がむし歯になればせっかくの被せ物もダメになってしまいます。何度も 被せなおすと歯が傷み、抜歯の原因になってしまいますしね。 丁寧に歯をみがけば、歯科医院に定期受診しなくたって予防できると思うかもしれませ ん。しかし今回も、歯みがきはしていたのにむし歯になったのでしょうか?むし歯を止 めるためには根本的な予防法を考え直す必要があるんですよ。 そこで切り札になるのが定期受診です。歯科でプロフェッショナル・クリーニングを受 け、プラークやバイオフィルムという細菌の膜を徹底的に破壊してむし歯菌を減らすの です。フッ素塗布を受ければ歯を丈夫にすることもできます。 しかも歯石除去も受けられるので、プラークが歯石に絡まらなくなり、汚れが溜まりに くくなります。そしてキレイな口になると、歯周病予防にも非常に効果があります。 むし歯も歯周病も定期的な予防法があるのですから、痛くなってから歯科に駆け込むの ではなく、定期受診を受けて歯を守りましょう。 治療が終わったって、やるべきことはいろいろあります。定期受診を受けて口のなかの むし歯菌を減らさないとむし歯治療の繰り返しから抜け出せませんよ。 http://cyber-digital.jp/dental-flash/

なぜ適切な診断をするためにはレントゲン撮影が必要なのか?

レントゲンって、からだに悪いんでしょう?だからレントゲンは撮らないでほしいんで す。とくに歯医者さんは一度に何枚も撮るでしょう?なんだか心配なんですもの。それ でね先生、このへんが昨日からズキズキして。この歯かしら。それともこの歯?え、撮 らないとわからない? 「レントゲンを撮らないで治してほしい」とは…。そうお思いになるなら仕方がない。 「残念ですが、撮らせていただけないのなら治せません」って、私ならお話しします ね。 だって、どこが痛いのか、どれくらい広がっているかの見当もつかないのに、あてずっ ぽうで歯を削ったり、歯ぐきを切ったりできますか?エックス線写真どころか、CTま で普及しつつある時代に、そんな蛮勇は、とてもじゃありませんが私は持ち合わせてい ません。とくに歯は、一度削ったらもとには戻らないんですから。 口をちょっと覗けば、どこでなにが起きていて、どれくらい悪いかがプロならすぐにわ かるんじゃないかとお思いなのかもしれませんしね。しかし、実際はそんなに簡単なも のではないんです。 ピタリと接した歯と歯のあいだの、外から見えないところからはじまるむし歯もありま す。詰め物や被せ物の下でひっそりと広がるむし歯もある。それから、歯の根っこの先 で炎症が進んでいる場合も、歯ぐきのずっと奥で炎症が起きていることだってある。歯 の病気は、進行したものほど、見えないところで深く深く進んでいるんです。見たとこ ろ、なんでもないように見えてもね。 たしかに、レントゲンを撮れば「被爆」をします。放射線を浴びるわけですからね。 しかしだからといって、それが「怖いから」とレントゲンを撮らずにいたら、この辺り かな?それともこの辺りかな?と治療が手探りになってしまい、適当にガリガリと削ら ざるを得ないばかりか、ズキズキしてつらいのに、きちんとした治療を受けられませ ん。 実際のところ、歯科医院のレントゲンの被曝量は、飛行機に乗って日本とアメリカとの あいだを往復したときに受ける自然被爆量と同程度かそれ以下だと言われています。そ のリスクと、撮らなかったときに受ける不利益とをしっかり天秤にかけ、適切に選択し ていただきたいものですね。 見えないところもしっかり調べて正確に診断するためにレントゲン写真が使われていま す。正確な診断による適切な治療を受けるかあてずっぽうの治療でいいのか、よくよく 考えて選択しましょう。 http://cyber-digital.jp/dental-flash/  

栄養軽視のダイエット筋力低下に気をつけて!

メタボの改善に肝心なのは、からだをむしばむ「内臓脂肪」を減らすこと。筋肉を減らしてし まうと基礎代謝が悪くなり、太りやすくなってしまいます。ダイエットするときは、必ず栄養 のバランスのよい食事と運動を組み合わせましょう! ダイエットといえば「体重を減らすこと」と思いがち。でも、体重の内訳には「体脂肪量」と 「除脂肪量(筋肉、骨、内臓、水分)の2種類があります。ダイエットでいちばん大事なの は、体脂肪量を減らすこと。「体重は減ったけれど、減ったのは脂肪ではなく筋肉や骨だっ た」というのでは困ります。 食事制限で真っ先に減るのは、じつは脂肪ではなく筋肉と水分。栄養バランスを考えずに低栄 養のまま食事制限をすると、大切な筋肉は骨ばかりが減ってしまい、体力が落ちたり、骨折し やすくなりかねません。 また、苦労してダイエットしたのに「食事制限をやめたとたんリバウンドした」という話をよ く聞きます。 からだが自然とカロリーを消費する「基礎代謝量」は、筋肉量と正比例します。ダイエットで 筋肉が減り脂肪が燃焼しにくいからだができあがると、ダイエット前より太りやすくなりリバ ウンドしやすいのです。 さらにまずいのは、リバウンドする際、筋肉が減り燃焼されずに残ったカロリーが脂肪となっ て、失われた筋肉と置き換わってしまうことです。リバウンドの怖さは、たんに体重が元に戻 るだけではありません。ダイエット前より体脂肪率が増えてしまうことにあります。 リバウンドを繰り返すと痩せにくくなるのは、「筋肉が減る→基礎代謝が落ちる→脂肪がつき やすくなる」という悪循環になっているから。ダイエットをするなら、過剰なカロリーだけ抑 えたら、あとは筋肉が痩せてしまわないように、良質のタンパク質や、筋肉の骨や維持に必須 なビタミン・ミネラルをしっかり摂るべきです。 もうひとつ大事なのは、適度な運動。筋肉が増えて基礎代謝が上がれば、自然とカロリーが燃 焼され摂取と消費のよい循環が生まれます。健康なからだは、バランスのよい循環が生まれま す。健康なからだは、バランスのよい栄養摂取と運動なしには成り立ちません。 歯を失いよく噛めなくなったかたは、歯科治療で噛む機能を改善してバランスよく栄養を摂 り、適度な運動をこころがけて、理想的な体組成の維持に取り組んでいきましょう!    

噛めるようになったら、カロリーオーバ-にご注意を!

治療が終わってよく噛めるようになると、食べる楽しみが戻ってきて食が進みますよね。でも これ、じつはいいことばかりではありません。高カロリー低栄養を見直さずにただ食べる量を 増やしてしまうと、むしろメタボをまねきかねないのです。 奥歯にインプラントが入ると、以前のように「よく噛めるお口」が戻ってきます。歯をなくし てから食事のたびに味わっていた「噛めない」というストレスから解放されることは、なにも のにも代えがたい喜びだと思います。 ただ、私が非常に気になっているのが、急激な体重の増加です。入れ歯やインプラントの治療 を終えた患者さんに、少なからず起きてくる変化だからです。私が食事データを 取りはじめたのも、こうした問題を「なんとか解決したい」という気持ちからでした。 入れ歯やインプラントが入り、快適に噛めるようになった患者さんの食事指導を続けてきた経 験からつくづく感じるのは、「奥歯がないあいだに身についた食生活はなかなか頑固で、意識 して改善しないと変わらないものだ」ということです。 たいして噛まずに流し込める軟らかい食事は、歯が入っても食べやすいメニューであることに 変わりはありません。そのため、放っておくと治療後も、奥歯がなかった頃の食の好みが定着 したまま継続してしまいます。 また、噛まずに食べる癖がついていると、意識的によく噛もうとしない限り、流し込み食べも 直りません。そのため、歯が入って食が進むぶん、過食になりやすく肥満をまねきやすいので す。せっかくなんでも食べられるようになったのですから、肉や野菜もバランスよく食べ、健 康的に体重と体組成のコントロールをしていきましょう。 知らず知らずに定着した食の好みや食習慣は、自分で気づいて改善するのはとても難しいもの です。かといって、改善をしないとますますメタボが加速し、動脈硬化や糖尿病などを発症、 または重症化させかねません。 治療が終わって良く噛めるようになったら、それまでの食生活を見直すために、歯科医院や職 場の栄養相談を利用して管理栄養士などの専門家の指導を受け、からだにいい食生活に戻して いきましょう。

大人むし歯って知ってる?

「子どもの頃はむし歯がよくできたけど、大人になったらあまりできなくなったな」っ ていう人、多いですね。子どもの頃の生えたてホヤホヤの永久歯はとっても軟らかくてむ し歯に弱いのです。でも、大人になると唾液で鍛えられて歯がグッと硬く丈夫になるからなんです。 ・・・なんて思ってたら、どうやら油断禁物ですよ。!いま日本の歯医者さんで注目され ているのが「大人むし歯」なです。。子どものむし歯がだいぶ減って、内心「やっ たあ!!」って思ってたのになかなかそうはいきません。 「大人むし歯」の特徴って知ってますか?それは、歯の根元がむし歯になりやすいってことです。じつは大人のお口は、歯周病とか年齢による変化のせいで、歯茎が痩せて歯の 根元が見えちゃってることがとっても多いんです。 この根元は、エナメル質っていう、陶器みたいな硬いツルツルした組織で守られていま せん。軟らかいセメント質や象牙質がむき出しです。だから、虫歯菌の酸に攻撃される と、ほかの場所よりもむし歯に弱いんです。 そのうえ、近くには歯ぐきの溝があるでしょう?そこには虫歯菌の巣(プラーク、歯 垢)がベタベタたまるから、ただでさえ弱いところがますますやられるってわけです。ここ がむし歯になると、歯が折れやすくなってしまいます。 ジェルでフッ素をチョイ足ししよう! そこで大事になるのが、プラスのむし歯予防対策。むし歯予防に熱心なご家庭が、子ど もによく使っている「フッ素ジェル」を大人もぜひ使ってほしい! フッ素ジェルのいいところは低発砲・低香味だからうがいが少なくてすむってこと。そ のぶん、フッ素がお口のなかに残りやすいのです。使ったあとはツバをペッと出すだけで もOKです。うがいをしたい人は、大さじ1杯(15㎖)くらいの少ない水で1回だけにし てください。! ジェルは丁寧に歯みがきをしたあと、なるべく寝る前直前に使って下さい。なぜっ て、使ったあとに水やお茶を飲んじゃったら、口の中にいるフッ素がが減っちゃって、 せっかくのむし歯予防のパワーが落ちちゃうからです。 ほかにもおすすめなのは、フッ素の入ったフォーム(泡状)タイプと洗口液。フッ素の 洗口液については、詳しくお話ししたいので次回に取り上げさせてもらいます。 フォームタイプは、研磨剤が入っていないうえ味もマイルド。うがいのできない小さな お子さんや、寝たきりの高齢者にも使えるというすぐれものだす。歯科医院で販売して いるフッ素濃度950ppmのものがおすすめです。 歯の根元が見えている人は、歯みがき剤に加えてプラスアルファの対策でむし歯を防い でいきましょう! 歯の根元のむし歯(根面う蝕)は、中高年に多いむし歯です。持病の薬の影響などで唾 液が減り歯の再石灰化が滞ると、急にむし歯が増えることがあるので要注意。「お口が 乾いてパサパサするな」と感じたら、歯医者さんで予防法を相談しましょう。歯が折れ て使えないと、老後にからだが弱る引き金になってしまうことも。予防を心がけていき ましょう。          

皆さんの苦手なデンタルフロスを使いこなそう

デンタルフロスは、歯ブラシでは取り切れない、歯と歯の間のプラーク(細菌のかたま り)を取り除くのに欠かせません。虫歯や歯周病予防のマストアイテムなわけですが、 わかってはいても使い続けられないというかたが多いようです。 しかし一方、うまく習慣化できる方もいます。この違いは何なのでしょうか。ライオン の調査で、フロスを当たり前の習慣にするヒントが見えてきました。 習慣化できない人の8割がタイミングを決めていない。 2018年2月に、ライオンは20~60代の男女300にフロスの使用実態についてウェブ調査 を行いました。「フロスを使っていて、かつ習慣化できていると思っている」150名 (ほぼ毎日が65%)と、「フロスを使っているが、習慣化できているとは思っていな い」150名(月に1~2回使用が41%)にアンケートに答えてもらったのです。 それによると、習慣化できた人150名のうち、73%が「フロスをいつも決まったタイミ ングで使用している」とのことで、つまりフロスの習慣化できていない人の82%は「フ ロスを使うタイミングを決めていない」とのことで、つまりフロスの習慣化には、「使 うタイミングを決めておく」ことが大切といえそうです。 実際、タイミングの重要性を裏づける英国の研究があります。フロスを使う習慣のない 47名を①と②の②グループに分け、①には「フロスを使って下さい」と漠然と伝え、② には「いつ、どこで使ってください」とタイミングまで指示しました。 そして2週間後と4週間後のフロスの使用日数を平均して比較したところ、①と②ではフ ロスを使った日数に2倍以上の開きがあったのです。たとえば2~4週目の14日間では、 ①は4日しかフロスを使わなかったのに対し、②は10日も使っていました。 ほかにもいろいろ、習慣化の工夫。 ライオンの調査では、習慣化できている方たちに習慣化の工夫もお聞きしました。おも なものは、 〇日常の習慣とセットで行う。 フロスを使うのは、「歯みがきといっしょに」「必ず寝る前に」「お風呂に入ったとき に」 〇目に見えるところに置いておく。 フロスは「歯ブラシの隣に置く」「浴室やリビングにも置く」 などでした。タイミングを決めて、すぐ手に取れるところに置いておくのがポイントで すね。 面白いのは、習慣化できている人でも半数以上は「フロスはやっぱり面倒くさい」と 思っていること。その面倒くささを跳ね返す秘訣が、からだにタイミングを覚えこませ ることなのでしょう。 習慣化の工夫はどれも簡単なものばかり。毎日のオーラルケアに取り入れてみてはいか が ですか?。 www.cyber-digital.jp/dental-flash              

めんどくさがり屋さんの虫歯予防

「夜の仕上げみがきのとき、うちの子ちっともジッとしていてくれないから、毎日の歯 みがきがていねいにできなくて困っちゃう。むし歯ができやしなかドキドキよ。奥歯に シーラントすべきかどうか、迷うわ。むし歯にはしたくないんだけど、どうしよう。」 お子さんの歯みがきが思うようにいかず、ご心配なお母さん、お父さんは多いんじゃな いでしょうか。仕上げみがきのときジッと口を開けていてくれれば助かるのですが、そ うはいきません。まして自立心が芽生えてからは、仕上げみがき自体をさせてくれなく なりますよね。 しかし、生えたての乳歯や永久歯は軟らかく、とくに奥歯はまだ摩耗していませんから 噛み合わせ面のデコボコも大きい。むし歯菌の出す酸に弱く、汚れも溜まりやすいで す。 なかでももっとも心配なのが「小窩裂溝」という奥歯の細く深いミゾなんです。歯ブラ シが届かないほど深く、いくら歯みがきを頑張っても掃除することができません。歯み がきプラス、何か工夫が必要です。 そのひとつめは、フッ素(フッ化物)を使って歯を丈夫にすること(フッ素なら唾液と いっしょに「小窩裂溝」のなかに届きます)。ふたつめは、シーラントという歯と同じ 色の樹脂(レジン)でこのミゾをバッチリ埋めて守ってしまうことです。 これなら汚れが溜まりませんし、酸にもさらされないのでむし歯になりにくく安心で す。ただし、毎日しっかり噛んで食べているとシーラントは傷みますし、ときどき欠け たり取れたりすることもあります。 「シーラントをするとかえってむし歯になりやすい」というのは、欠けたり、取れたり しているのに気が付かないで油断していると、汚れが溜まってむし歯になってしまう よ、という意味なんです。シーラント自体がむし歯の原因になるわけではありませんの でご安心ください。 そこで、シーラントをしてからも、定期検診を受けて、欠けたり取れたりしていない か、チェックしてもらうことがとても大事です。そして毎日歯みがきで汚れを落とし、 フッ素を使って歯を丈夫にしていきましょう。シーラントは、むし歯のリスクの高いお 子さん(唾液検査を受けるとわかります)にはとくにおすすめ。歯が軟らかくむし歯に なりやすい時期を上手にしのぎましょう。 「歯ブラシの届かないミゾがあるならぜひシーラントを。シーラントしたあとは、欠け てきていないか定期健診でチェックしてもらうのを忘れないようにお願いします。           www.cyber-digital.jp/dental-flash/    

人生の設計はお口の健康から

〇人間の平均寿命と歯の平均寿命の比較 人間の平均寿命は男性が約80才、女性が約86才です。 しかし、歯の平均寿命は58年です。これは歯が萌出し始める、6才から完全に生えそろ14才が スタート地点となるため、単純計算で平均すると64才から72才の間に歯がほとんどなくなります。 つまり晩年は10年~15年くらい誰もが、歯が無い人生を送る計算になってしまいます。 そこで、健康寿命と平均寿命という言葉をご存知でしょうか。 〇健康寿命と平均寿命 平均寿命とは人間がこの世に生まれてから生存できる年数のことですが、男性は80年、女性は86 (厚労省)です。長寿大国の日本では、90才まで生きることもめずらしくありません。 これに対し健康寿命という言葉をご存知でしょうか? これは、心身ともに自立し、自分一人で活動的に生活できる健康な状態での生存期間のことで、 男性は71才、女性は74才という数字が出ています。 つまり男性は約9年、女性は約12年以上もの間、健康を害することによって、もしくは認知症の問 題によって、介護等が必要となってしまうのです。これを不健康寿命と考えて下さい。 これは歯を喪失する年齢とほとんど一致しているのです。 〇なぜ晩年は自立できない生活を送らざる得ない人が多いのか? つまり不健康な晩年がほとんどの人に待っていることになります。 歯がなくなると、不健康になるということです。 できれば、年を重ねても福祉や介護に依存することなく自立した生活を営める生活、生きがいを 持って前向きに人生を楽しんでいける晩年を迎えたいものです。 寝たきりや認知症の状態でずっと長生きするよりは、自分の身の回りのことができ社会参加もでき るような生活を少しでも長く続けたいと思うのは誰でも同じではないでしょうか? 〇健康寿命のカギはお口のクリーニングにあり! 人生を楽しみながら自立して長生きするためには、できるだけ長く健康でいること、つまり少しで も健康寿命を延ばす必要があります。健康寿命を縮め、寝たきりや介護が必要な状態を招く大きな 原因として、糖尿病や、高血圧をはじめとした生活習慣病が挙げられます。       また加齢に伴う身体機能や認知機能の低下も健康寿命を脅かします。 注目すべきは、このように健康寿命を縮めている原因のほとんどが、口の中とかかわりあるという ことです。 口の中をよい状態にキープすることには、若い頃からきちんとケアを始めることが理想的です。 〇歯周病とその他の病気の発生率について 口の中が良好な人は、そうでない人よりも医療費がかかりません。 口の中が健康なひとほど様々な慢性疾患にかかりづらくなります。 つまりそれだけ免疫力が強く、病気にもかかりにくいといえます。 逆に口の中の状態が悪い人ほど、栄養面でも問題をかかえていることが多く、免疫力も低下してい ます。つまり慢性疾患を引き起こしやすく、結局色々な病気を引き起こしやすくなり悪化すると、 医療や福祉に依存し、不健康寿命が長くなってしまいます。 ずは、むし歯や歯周病に対してきちんと対応しましょう。そして、今後再びむし歯や歯周病を発生さ せず、1本も歯を失わないように、ご家庭での予防、クリニックでの定期的なメンテナンスは絶対に 欠かしてはいけないと覚えておいて下さい。           http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/