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歯ブラシで新型コロナウィルスが予防できるってウソ?ホント

「カギ」と「ハサミ」をもつウイルスたち 世界中で新型コロナウィルスが相変わらず猛威振るいとどまる気配がありません。 今後もまだまだこの状況は続くのではないでしょうか?これからウィルスとの長い戦いに 備え、そして今後の皆様の健康維持に対してぜひ一読お願いいたします。 実はウイルスは不潔なお口になればなるほど感染のリスクは上昇してしまいます。このことは インフルエンザウィルスですでに証明されているのです。そしてウィルスは皆構造が類似しているため、どのウイルスに対しても以下の考え方が当てはまるでしょう。 では、インフルエンザウィルスを例にとってご説明しましょう。   むし歯や歯周病などのお口の清掃が不十分な人は、インフルエンザにかかりやすく重篤に なってしまうことが証明されています。インフルエンザだけでなく、コロナやノロウイルス 風邪の各種ウイルスは皆構造が類似しているのは前術のとうりです。 ウイルスは、細胞にくっついて、そのなかに入り込んで生きる病原体です。まずはインフル エンザウイルスの感染から発症までの仕組みをご説明しましょう。 鼻や口からからだに入り込んだウイルスは、鼻腔や咽頭などの上気道の粘膜に付着します。 そして、ウイルス表面にある特殊な突起ーHA突起(HA抗原)をカギのように挿し込んで、粘 膜の細胞内に侵入します。 細胞のなかで増殖して仲間を増やすと、今度は表面にあるNA突起(NA抗原)をハサミのよ うに使って、隣の細胞に飛び出し付着して入り込んでいきます。これが繰り返されてウイルス に侵された細胞が増えていき、インフルエンザが発症します。 お口のなかには、何百種類もの細菌が数百億も住みついています。細菌は、唾液や、歯と歯 ぐきのあいだからしみ出る体液を栄養にして増えます(食べカスを栄養源にするというのは誤 解です)。お口の病気にかかっていたり、お口の清掃が不十分だと、その数は数千億にもなっ てしまいます。 歯の表面につくられるプラーク(歯垢)は、「バイオフィルム」といわれる細菌のかたまり で、100%が細菌とそれがくっついたネバネバ物質からできています。歯の表面だけでな く、歯周ポケットや舌、のどなどにもいろいろな種類の細菌がバイオフィルムとなって住みつ いています。 それらの細菌が出す酵素は、上気道の粘膜を覆っている薄い膜を溶かしてしまいます。する と、細胞表面のレセプター(受容体)が露出し、インフルエンザウイルスをキャッチするよう になります。 レセプターが露出することで、HA突起やNA突起ーつまりウイルスのカギとハサミのはたら きが助けられるので、ウイルスの感染が広がりやすくなります。また、細菌がつくる毒素は、 細胞に害を及ぼしてウイルスの侵入を許してしまいます。 だから歯みがきでお口のなかの細菌を減らす 過剰に増えた細菌は、このようにインフルエンザの感染を助けます。ですから、日ごろから 歯みがきなどでしっかりお口の清掃をし、歯科医院でお口のクリーニングしが、インフ ルエンザ予防に大切です。ウイルスの悪い友だちになる細菌を少なくしておけば、インフルエ ンザにかかりにくくなるわけです。 実際、デイケアに通う要介護状態の高齢者に、歯科衛生士さんが週2回お口の清掃をして、 清掃の仕方も教えてあげたところ、インフルエンザにかかった人が少なかったという研究報告 もあります。 なお、ご自分でお口のケアがしづらい高齢のかたには、歯ブラシなどが届きにくい場所のバ イオフィルム対策に、抗菌性のある洗口液常用をおすすめします。 したがって、現在世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルスも、お口のなかのケア を入念に行っておけば、感染のリスクが低下するのではないでしょうか? 一部の細菌学者は、「外出後のうがいは意味がない」とおっしゃっていましたが、わたしはそ うは思いません。外出後含嗽剤でうがいをし、更に歯ブラシを行うことによってお口のなかの 細菌を少なくすることができれば、上気道の粘膜の保護に繋がり各種ウイルスの感染 の可能性を低下させることが可能と考えています。 ◎起床時は直ちに歯ブラシせよ   また外出後にかかわらず、起床時直ちに歯ブラシを行うこともおすすめしています。就寝中は 唾液の分泌が低下し、お口の中はかなりの乾燥状態です。当然お口の中の細菌数は起床時 が最も多く、ウィルスに狙われやすい状況です。コロナやインフルエンザだけでなく、風邪の 予防にも起床時の歯ブラシはおすすめです。つまり歯ブラシのタイミングは起床後、朝食後 昼食後、就寝前4回を基本と考えて下さい。何気ない日常の歯ブラシですが、この行為が ほんの少しでも新型コロナウィルスの感染予防の低下のつながればうれしく思います。 新型コロナウィルスはいつ収束するのか 見通しは立ちません。今できることは 外出時はマスクの着用、3密を避ける 外出後はうがい、手洗い、そして歯ブラ しの実践を追加していただき、100年 1度と言われる国難を乗り切ろうではありませんか。

咬むと歯が痛い。どうしたらいい?

一般歯科で患者さんが歯の痛みで来院される多くのケースは 1.歯の神経の痛み(虫歯)→しみる。ズキズキする。 2.歯の歯根膜の痛み   →噛むと痛い。食べれない。 の大きく2つの痛みです。まずはきちんと歯の痛みの原因を来院して診査し、痛みの原因を患者さ んに説明してから治療へと進んで行きます。 今回のお話しでは 咬むと痛い 咬むと痛い原因は、歯の中にある神経の痛みではなく、歯の根の周りにある歯根膜の炎症による痛 みです。 口の中に髪の毛が1本入ったとき、歯でその髪の毛を咬んだときに、その髪の毛の太さが感覚的にわ かると思います(1ミリない太さを感じ取れるほど繊細な感覚です)。 その感覚をつかさどっているところが、根の周りに張り付いている歯根膜です。 咬むと痛い原因は 1.詰めたもの・被せた冠の咬み合わせが少しでも高い(あたりが強い) 2.歯周病が進行し歯周ポケットからバイ菌が入って歯茎が腫れた→歯が少し浮いたような感じに なる。 3.歯の神経がむし歯菌に汚染されて死んでしまっていた。そして根っこの先端にバイ菌が繁殖した。 4.神経を取ったあとの治療せず放置し、歯の内部にバイ菌が繁殖した。 このように咬むと痛いというのは、上記以外にもいろいろな原因がありますから、まずはその原因 をきちんと診断して、その原因に合う治療を行うことです。 歯根膜とは、口の中に髪の毛が1本入ったとき、歯でその髪の毛を咬んだときにその髪の毛の太さが 感覚的にわかるセンサー 歯周靱帯とも言う。この組織が何らかの原因により炎症を起こすと咬むと痛いという現象が起こる ことになります。 ここが炎症がおきると、やわらかいものでも咬めない感じになり、歯が浮いたような感覚が出てきます。 虫歯を放っておいたら、咬むと痛くなるのは、神経が壊死・壊疽をおこして歯根膜炎を起こすから です。 歯髄炎→歯根膜炎もしくは歯周病→歯根膜炎などいくつかの経緯をたどっていくケースがほとんどです。 しかし見落としがちなのが就寝時の歯ぎしりでしょう。食べ物の咀嚼時は歯にかかる力は3キロくら なのですが、歯ぎしりや歯の食いしばりで歯にかかる力は、その方の体重分ぐらいかかります。 ある大学のデータでは、どの人でもおおよそ一晩にトータルで1時間半くらいの歯ぎしりを しているようです。自覚がない話であるのできちんと歯科医に相談してみるとよいでしょう。 http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/

歯が痛い どういうこと?虫歯編

一般的に患者さんが来院される場合の多くは、「歯が痛い」です。 虫歯が進んで行くと、歯の中にある神経に虫歯が近づくにつれて歯の痛みは増して行きます。 歯の神経の痛みは、始めは冷たいものに反応しますが、次第に虫歯が進んでゆくと何もしなくても ズキズキとした、かなりの痛みがでてきます。 小さい虫歯であれば麻酔をしなくても、虫歯の部分(やわらかくなった象牙質)を削っても実際に はあまり痛みはありませんから、そのような場合は麻酔は極力しないようにしております(特に小 児に対して)。 しかし、虫歯が神経の近くまで到達している場合は、虫歯の痛みはかなり激しいですから、このよ うな場合は必要十分な麻酔をして、麻酔がきちんと効いている状態で歯の神経を取る治療を行いま す。歯の神経をとる治療のことを「抜随(ばつずい)」と言います。 レベルアップするほど、痛くなり重症ということになります。しかし神経が完全に 死滅すると1次的に痛みが治まってしまします。 レベル0 虫歯でもないのに冷たいものでしみる→知覚過敏→しみにくくなる薬を歯にすりこんでみる。 レベル1 小さい虫歯→冷たいものでしみる→削って詰める。もしくはフッ素を塗布して様子をみ。 レベル2 大きい虫歯 冷たいだけでなく、温かいものでもしみる。 ↓↓治療法 ◎削って詰めてみる ◎痛みをやわらげる薬を虫歯の一番深いところにひいてみてから詰めてみる それでもしみて痛みを感じるならば ↓↓抜随するしかない。。。→麻酔して神経をつる(抜随) レベル3 虫歯の痛みで一番痛いレベル・・・ 神経まできた虫歯 ・はげしい痛み(突然も多い) ・夜寝ようと思ったら痛い ・痛み止め効かないくらい痛い ↓↓治療 麻酔して神経をつる(抜随) レベル4 レベル3の激しい痛みに3,4日(よくあるケースとして・・・)耐えきれた我慢強い人5日間くら いにウソみたいに激しい痛みがなくなる。 昨日までの痛みは何だったんだ・・・ 神経が死んだからです。(もう少しは医者さんらしく言うと神経が壊死したなんて言う。) ↓ 痛くないか放置 ↓ 死んだ神経がくさる。(壊疽と言います。) 共に咬むと痛くなってきます。     ◎とにかく早く受診しましょう。 痛みはとにかく我慢せず早い段階で歯科医院を受診しましょう。軽傷であればあるほど診療で 嫌な思いもしなくてすみます。そして何よりも神経をとる治療まで発展してしまうと、通院期間は 長期的になります。そして覚えて頂きたいことは、神経を取ってしまった歯は栄養や水分が歯に行き渡らなくなります。お花で例えるならばドライフラワーのようにもろくなり、歯の寿命は 15年ほどとなります。ほとんどのケースは歯が破折して抜歯し入れ歯もしくはブリッジ、 インプラントなどと被害が拡大し、治療費も高騰、通院期間も長期的になり良いことは何一つ なくなります。ぜひ歯を削る、神経を取るという行為が必要となる前に歯科医院を受診してくださ い。そして計画的に定期検診及び定期クリーニングを受けて下さい。 http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/      

子供の虫歯、食べ物より飲み物が原因なんてこともあるんです。

娘(8ヶ月)は野菜ジュースが大好き。水代わりに飲ませてます! 「甘いジュースって砂糖がたっぷり入ってて歯によくないんでしょ? だからうちは、幼児向け野菜ジュースを飲ませてます。栄養が取れてすっごく喜んで飲むし、 お風呂上がりにも水代わりにね!マグに入れるとチュパチュパとけーっこう長持ちして、機嫌 がよくて助かるわ~。」 赤ちゃんの水分補給、とくに暑い時期には気を使いますよね。離乳食がはじまった頃は味の好 みも出てくるころでしょう。お風呂上がりの甘味のある野菜ジュース、さぞかしおいしいで しょうね。 ただね、気がかりなことがあるんです。ひとつはむし歯です。 というのも、野菜ジュースとはいうけれど、そのなかに砂糖(ショ糖)が入っているものが けっこうあるんですよ。日ごろ娘さんに飲ませているジュースの裏や横に「栄養成分表示」っ てあるでしょう?小さい字ですがぜひ読んでみてください。「ショ糖」って書いてありません か?ショ糖というのは砂糖の主成分のこと。終始飲ませていると、とくに長い時間をかけて チョビチョビ飲んでいると、口のなかのむし歯菌に栄養を与え続けることになりかねないんで す。できれば、時間をかけずに飲めるといいんですけど。 もうひとつ心配なのが酸蝕です。その幼児向けの野菜ジュースには果物が入っているようです が、原材料にレモン汁とかクエン酸などの酸味も加えられてはいませんか?野菜ジュースっ て、おいしく飲めるようにと、酸味のある果汁を加えたり、日持ちをよくするために酸味が加 えられていることが多いんです。 じつは「酸」って、歯に触れると歯を溶かしちゃう性質があります。マグや哺乳瓶でチョビ チョビと飲むと、ジュースの酸が吸い口から生えたての前歯に長い時間集中的にかかってしま い、歯が溶けやすいんです。 ことに、赤ちゃんの生えたての歯はやわらかく、むし歯にも、ジュースの酸にも、とっても弱 いんです。気がかりですね。 ジュースは全面的にダメとは言いません。でも大事な赤ちゃんの歯を守るには、飲む時間を 「お昼寝から起きたら」とか「おやつに」とか決めて、ダラダラ飲ませないようにしたいもの です。それからもちろん、寝る前の歯みがきにはフッ素(フッ化物)を使ってくださいね。 「野菜ジュースすべてが歯に安全とは限りません。そのジュース、砂糖が入っていませんか? 酸っぱくないですか?調べてみてくださいね。野菜ジュースといえど、ダラダラ飲みから脱却 してお子さんの歯を守ってあげましょう!」 カゴメ 野菜一日 これ一本 200ml×24本    

子どもの歯(乳歯)の虫歯予防が必要な6つの理由⑤⑥

⑤乳歯から永久歯へ生えかわる時期にむし歯をつくりやすいから! 乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)に生えかわるのは、だいたい5才~15才くらい の間です。前歯から奥歯にかけて順番に生えかわると考えてよいのですが、むし歯をつくるバ イ菌は、この生えかわりのタイミングを狙っています。まず、永久歯が出始めると、その真上 にある乳歯はグラグラして抜け落ちるのですが、出はじめた永久歯が完全に頭を出しきるま で、3ヶ月から6ヶ月かかります。 その間、永久歯の頭の上には常に中途半端に歯肉に覆われ、常にその周囲にむし歯菌が停滞し ています。又、生えたての永久歯はとても柔らかく、虫歯になりやすいのでとてもリスク高い 時期といえます。更に甘い飲食物を頻繁に摂取する時期でもあり、歯ブラシも上手にできない 年齢です。細心の注意を払い、予防処置が必要な時期であると覚えておいていただきたいとこ ろです。とにかく、この年齢くらいが最も生涯で一番虫歯のできやすい年齢です。この時期を 乗り切り、「20才まで、1本も虫歯をつくらない」を達成しましょう。   ⑥乳歯から永久歯へ生えかわる時期が、歯並びに大きく影響を与えてしまうから! 5才から15才くらいの間に、乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)に歯は生えかわり ます。ただし、永久歯が変な場所から生えてきたり、乳歯がなかなか抜け落ちなかったり、顎 が成長せず永久歯の大きさと顎の大きさにバランスがとれなかったりと、様々な要素が絡み 合って、悪い歯並びに導かれやすい時期ともいえます。歯並びが悪くなってしまうと見栄えが 悪いだけではなく、成人になってから虫歯や歯周病にかかりやすく、しかも進行が速い環境と なり、本来の歯の寿命をまっとうできなくなり、50代後半から60代で抜け落ちてしまう傾 向にあります。つまり歯の生えかわりの時期は、とにかく定期的な検診が必ず必要となってい ます。後々矯正治療が必要になってしまうと、40万円~80万円くらい治療費がかかってしますので 、この年齢での定期検診は本当に重要であることをご理解ください。         http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/

子供に甘いものを我慢させるな!(おやつを与えるにはコツがある)

子供に虫歯になって欲しくないから、甘いものは与えたくありません。しかし現実的にはそんなのと無理、むし歯を心配しながらおやつを与えてしまい、罪悪感でいっぱいです。ああどうしたら いいの?親子で甘い物は我慢するしかないのでしょうか? むし歯を心配し甘いものを親子で我慢しているかた、私の患者さんにもおられました。「先生 はどうやって我慢していますか?」って聞かれたこともあります。 私、甘いものを制限などしておりません。我慢なんてとてもできませんもの。甘いも のって食べるとハッピーになり、元気も出るでしょう? じつは甘いものって、賢く上手に食べればむし歯の心配はいらないんです。それで私は 患者さんにこんなふうにお話ししています。「食べてもいいですよ。ただし、ダラダラ 食べないでくださいね」って。 理想としては、食後のデザートとしてまとめて食べるのがベスト。というのも、食後の お口のなかは酸性になって歯が溶けやすい環境になるのですが、唾液がしっかり働けば 30分もすると酸が中和され、むし歯になりにくい状態に戻るんです。 ところがしょちゅう食べているとお口のなかは終始酸性になるので、むし歯ができやす くなってしまうんですよ。だから、食後にまとめて食べるのがおすすめ、というわけで す。 ただ、甘いもの好きとしては、おやつもほしいですよね。そういうときは午前・午後に 一度ずつ、チョコをつまむくらい平気ですよって指導しています。「なにか口に入れる なら、1日5回まではよいでしょう。でも7回以上になると、むし歯のリスクが増えます よ」という食事指導は、北米を中心に研究実績のあるむし歯の予防法なんです。 食後のデザート+午前・午後に1回ずつ。甘いものを食べるならこんな工夫をしましょ う。もちろん朝と就寝前にフッ素(フッ化物)配合の歯みがき剤を使い歯みがき。とく に就寝前は念入りに。昼食後も歯みがきができれば、さらにすばらしい。 お子さんの場合も、食べ方を工夫すれば、砂糖を制限せずにむし歯予防ができます。し かし、小さいころに甘い味を覚えさせないようにすることができれば、それに越したこ とはないですよね。とは言っても甘いものは人生の喜び。食べ方+仕上げみがき+定期検 診で、楽しく予防を続けてくださいね。 「食事のときにデザートとしてまとめて食べれば、心配しなくていいですよ。おやつも 午前・午後1回ずつならまず大丈夫。フッ素入りの歯みがき剤なども使って予防しながら 甘いものを上手に食べていきましょう!                     http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/

子どもの歯(乳歯)の虫歯予防が必要な6つの理由③④

③お子さんの歯が虫歯になりやすいのは、歯の溝がとても深いから! お子さんの乳歯及び永久歯の奥歯は咬む面の溝がとても深く、虫歯菌が好んで付着し、歯を溶 かしていきます。成人になり年齢が進むにつれて歯は摩耗し、溝は浅くなるのですが、低年齢 のうちはその溝を基点に虫歯が発生するので、衛生士による定期クリーニング後、専用のコー ティング剤(シーラント)やフッ素塗布が必要となってきます。ただし、必ずしもそのような 処置が必要かどうかは担当歯科医が、判断いたします。お口の中の状況や年齢等を考慮してご 提案させていただきます。   ④お子さんの歯が虫歯になりやすいのは甘い食べ物・飲み物が大好きだから! 甘い飲食物は、どのお子さんも大好きです。グミ、ハイチュー、ガム、チョコレート、コー ラ、サイダー、オレンジジュース、スポーツ飲料水あげればきりがありません。しかし、これ らの甘い飲食物は虫歯菌も大好きです。虫歯菌は糖や炭水化物を「エサ」にして酸を分泌し、 虫歯をつくります。そのため、お子さんが虫歯にかかるリスクが高いのは当然の結果なので す。ぜひ定期検診やクリーニングを受け、更に食事指導も受けると良いでしょう。 先程の磨き残しとはつまり「虫歯菌の塊」をとり残したということです。磨き残し率が高けれ ば高い程、糖や炭水化物の摂取をコントロールしなければなりません。そこで、よく摂取する 飲食物のパッケージを見て下さい。もしコーラのパッケージに炭水化物33gと表記してあれ ば、それを3.3で割り算して下さい。 角砂糖1個3.3gなので、コーラは33g÷3.3=10 つまり、角砂糖が10個入った砂糖水を飲んでいることとなります。このような角度で飲食物 を見る習慣をつけて下さい。 以上、このような現実からお子さんの歯を守るには2ヶ月に1回の検診(クリーニング)と フッ素塗布を必要としています。 成人になるまで続けると、将来虫歯になりづらい体質の大人へと成長していきます。(もちろ ん成人になっても検診は続けて下さい) ぜひ、親子で検診の予約を取りましょう。 http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/

子どもの歯(乳歯)の虫歯予防が必要である6つの理由その①②

①お子さんの歯が虫歯になりやすいのは歯がとてもやわらかくて脆弱だから! お子さんの歯を守るためにまず知っていただきたいことは、乳歯や生えたばかりの永久歯はと てもやわらかく、「虫歯になりやすい」という事実です。 年齢を重ねて成人になるにつれて、唾液内に含まれている「リン」や「カルシウム」と結合し て成熟していくのですが、20才になるくらいまでの歯は未成熟でとてもやわらかく脆弱で す。やわらかい竹の子が成長し硬い竹に成熟していくのと同様です。したがって乳歯や生えた ての永久歯は簡単に虫歯菌に溶かされて、非常に短期間で深い虫歯となってしまいます。 もし低年齢のうちに歯の神経を取るような治療を行う事態になってしまうと大変です。そのよ うな歯は、歯の本来の半分程度の寿命しかまっとうできず、統計上50代前半で抜けてしまい 入れ歯へと移行していきます。又、銀歯やプラスチックの詰め物を行ったとしても、いずれ詰 め物周囲に虫歯を再発させ、歯の神経を取る治療へと、残念ながら大半は移行していきます。 なぜなら、虫歯菌は詰め物の周囲を好んで、付着する習性があるからです。 あくまでも統計上ですが、10代で虫歯になり、詰め物をするとその歯は30代で歯の神経を 取ることになります。そしてその歯は50代で、根が割れてしまし抜いて入れ歯となってしま います。 お口の中はこの様な変化がいたる所で繰り返され、ついには日本人の70才の89%が入れ歯 生活を送っています。そして、この年齢を境に介護や認知症の問題も発生いたします。 介護や認知症は歯の喪失と連動していることはすでに色々な大学で証明されています。 つまり最も重要なことは、幼少期の頃から予防し虫歯をつくらないこと。「20才になるま で、1本も虫歯をつくらない」ことが理想的です。とにかく早い年齢の頃から予防を習慣にす るスタートを切ることです。   ②お子さんの歯が虫歯になりやすいのは、歯ブラシが上手にできないから! 低年齢であればあるほど、当然歯ブラシは上手にできません。 小学校低学年くらいまでは保護者が、仕上げ磨きをするケースが多いですが、それも完璧とはいえないでしょう。 小学校中学年から高学年になるとほとんど保護者の仕上げ磨きは行わなくなります。当然、き ちんと磨き残しなくブラッシングできているのか大変あやしいものです。このような日常生活 も虫歯発生のリスクを高める要因です。 そこで、当院ではお口の中の磨き残しを視覚的にわかりやすくするために特殊な液体で歯垢を 赤く染めることを行っています。そして、赤く染まった面積比率を算出し数値化いたします。 理想的な磨き残し率は20%以下でありますが、たいていは70~80%磨き残しています。これ では、必ず虫歯は発生してしまいます。ご自身の手で正しくブラッシングを行い、磨き残し率 を常に20%以下に保てるように、ブラッシングのトレーニングを行う必要があると思いま す。 「磨き残し率20%以下」これが予防の原点であると覚えておいて下さい。 当院では「磨き残し率20%以上」の方は、月に1回当院での歯科衛生士による歯ブラシ指導 とクリーニング及びフッ素塗布をおすすめします。 又、「磨き残し率20%以下」の方には、2~3ヶ月に1回のペースで上記の指導とクリーニ ング、フッ素塗布を行うことにしています。 歯ブラシ指導

子どもの歯(乳歯)に穴が!・・その対処法は?

「息子の歯に穴が開いたかも。でも痛いといってないし乳歯はいずれ生え変わるから、 放置してもどうってことないでしょ?永久歯なら、もちろんすぐに連れて行くけ ど・・・。歯医者連れて行くのめんどくさいから今はこのままでいいか?。」 乳歯のむし歯ですか。乳歯は軟らかくむし歯が進みやすいうえ、歯の溝は深く、歯の間 にも食べカスが挟まりやすいので、放っておくと悪くならないかと心配です。 とういのも、乳歯のむし歯はじつは永久歯の健康に大いに影響するんです。乳歯いっぺ んに生え変わらず、順番に生え変わっていきますよね。もし、むし歯の乳歯が残ってい て病原菌がウヨウヨいるお口に、エナメル質が未成熟で若い永久歯が生えてきた ら・・・? それから、乳歯のむし歯は永久歯の成長をジャマすることがあります。乳歯のすぐ下で は次に生える永久歯が作られていますが、乳歯の歯根までむし歯が広がると、永久歯の 赤ちゃんにダメージを与えてしまうのです。歯の形が正常に育たなかったりすることが あります。 また、乳歯は永久歯に生える位置を案内するガイド役も担っています。むし歯が進行し 乳歯の形が崩れていると、永久歯の生える場所がズレてしまうのです。たとえば、永久 歯の6歳臼歯が生えるとき、隣の乳歯が崩れていると、本来の場所より前に詰めて生えて しまいます。すると、後続の永久歯の場所が足りず、歯並びが悪くなってしまいます。 ですから、はじめての歯医者さんはドキドキでしょうが、一度診てもらったほうが安心 でしょうね。それもなるべく早いうちにね。そのほうがより小さな治療ですみますし、 ごく小さな虫歯なら、歯科医が定期的に診て、フッ素(フッ化物)などを使って進行を 止めれば、永久歯に生え変わるまで治療なしでうまくもたせられることもあるんです。 上手にお口の管理をし、小さな治療ですませれば痛くないしラクなんだということを幼 い頃に知ることはとても大事なことだと思います。歯医者さん嫌いになると、大人に なってもつい検診や治療が後手にまわって、歯で苦労しやすいのです。永久歯は生えて から、などと言わず、乳歯のころから予防のための受診をはじめてください。 「乳歯だらかと油断していると、永久歯の健康と成長に悪影響を与えることも。なるべ く早くに診てもらいましょう。予防のための定期受診もおすすめですよ!」 http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/

虫歯は親子での感染症です。遺伝ではありません

「顔はかわいいのに、笑うとむし歯が見えるのがねえ。いっしょに買い物してると、 「姉妹ですか?」なんていわれるけど、口のなかまでこうもそっくりとはね。ホント、 遺伝ってコワイわあ。」 「親の歯が悪いから、歯の質が遺伝して子どももむし歯になりやい」なんて信じている かたもいらっしゃるようですね。でもお子さんにむし歯が多いのは、遺伝のせいではあ りませんよ。むし歯はむし歯菌の感染によって起こる病気なんですから。 生まれたばかりの赤ちゃんの口のなかには、むし歯菌も歯周病菌もいません。ですか ら、そのままいけば、一生むし歯にも歯周病ににもならないはずです。 とはいえ実際には、そんなことはまずありません。家族かいっしょに暮らしていれば、 家族の口のなかの菌がうつります。よくあるのが、親が子どもに離乳食を食べさせると き、親が使ったスプーンを子どもに使ってむし歯菌がうつるケース。子どもが大きく なってからだって、親が使った箸やコップを子どもが使えば、親の口のなかの菌がうつ ります。むし歯だらけのお父さん、お母さんが使ったむし歯菌がウジャウジャついたス プーンで子どもにごはんを食べさせれば、子どもの口のなかもむし歯菌でいっぱいに なってしまいますよ。 また、家族は生活習慣も似ているものです。ダラダラ食べをする、いつもの甘い飲み物 を飲んでいる、歯みがきをおろそかにするなど、家族みんながむし歯になりやすい生活 をしていれば、口のなかの環境はますます似てくるでしょう。 そうは言っても、家族のスキンシップは日常生活のなかで欠かせないものです。そこ で、むし歯や歯周病をうつさないためには、家族ぐるみで口のなかを健康な状態にして おくことです。スキンシップをなくそう、なんて神経質にならずに、むしろ日ごろの丁 寧なセルフケアに加えて、定期的に歯科医院でプロのケアを受けて、愛する家族のため に口のなかのむし歯菌を減らしましょう! それから、ご両親の努力で、むし歯菌が少ないむし歯菌ゼロのお嬢さんが育ったとして も、大人になってからむし歯菌をうつされることもあります。口のなかがどんな状態か もわからない見ず知らずの人とキスするなんて、口の健康を考えればもってのほか. 「むし歯が多いのは遺伝のせいではありません!おそらくご家族からむし歯菌がうつっ たんです。ていねいなセルフケアに加え定期的に歯科医院でプロのケアを受けて家族ぐ るみで予防しましょう。」 生涯に渡ってお子さんのお口のなかのむし歯菌の数が常に少なければ、むし歯で悩みのない 人生が保証されます。そのためのポイントは、 ①離乳食が始まる頃から、大人と子どもの食器は分けましょう。 ②常に親子で歯科医院に受診し定期クリーニングを受けて、お口の中のむし歯菌の 数を減らしましょう。 ③キシリトール系のお菓子はむし歯菌を殺菌し減少させてくれます。含有量100% のものを計画的に食べましょう。 ④親子で唾液の検査を行い、むし歯菌の数を定期的にモニタリングしましょう。 この4つが実践できればきっと親子で、むし歯の悩みのない日常が遅れるはずです。 すぐに歯科医院でご相談して下さい。