よく患者様にこんなことをおっしゃる方がいます。「親は二人とも早くから総入れ歯。私も歯周病がひどくって。歯周病はうちの家系は歯が弱いみたいです。
六十過ぎたら急に歯が悪くなっちゃって。将来私も総入れ歯かなー、どうせいつかは総入れ歯に
どっちみちなるんですよね」

たしかに歯周病の場合、遺伝的なリスクも影響します。歯周病って歯周病菌による感染で
す。だから、からだの抵抗力が強いか弱いとか、そういう遺伝レベルでの体質の影響っていうの
はあるんです。それから、歯並びって遺伝するでしょ。歯並びが悪いと、歯みがき難しいから、
プラークが口のなかに残りやすいんです。
だけど、歯周病の原因って、やっぱり後天的な要素のほうが問題が大きいです。っていうのも、
たくさん歯周病菌持っている人といっしょに暮らしていると、歯周病菌による感染のリスクが高く
なりますから。だから、たくさん歯周病菌を持つ親御さんと暮らしていたんで、きっとそれが娘さん

にしっかりと受け継がれちゃうんです。旦那さんも感染しちゃってるんでしょうね。
じつは、歯周病菌の感染って、親子間もそうだけど、夫婦間も問題なんですよ。だから、ご両親
ともに歯が悪いっていうのも、なるほど、そうなんだろうなあ、って思っちゃいますね。
もう一つ問題なのが生活習慣。軟らかくて噛み応えのないものを好んで食べてみると(歯が悪い
とますますそうなりがち)プラークがつきやすいんですよ。だから、家族の食事が全体的に軟らか
めだと、家族中プラークがつきやすいお口になってくる。でもって、ブラッシングの習慣なんか
も、家族ってみんな似てますでしょ。
それと、喫煙の問題もありますね。家族の誰かが吸ってると周りはタバコの煙を吸うでしょう。昔は
あんまりタバコの煙を気にしなかったしね。そうすると家族みんな免疫が低下する。てことは、歯
周病になりやすくなりますよね。

まあだから、どうせ歯医者に通って治療するなら、ご両親みたいに仲良く総入れ歯にならないよ
うに、ご夫婦で「私も治療するから、あなたもいっしょに通いましょうよ」って、誘ってみたらい
いと思います。感染症なんだから、夫婦のどちらかが一人で治すより、いっしょに治すほうが合理的
だし効果も上がりやすい。ぜひご夫婦で歯医者さんにどうぞ。
”歯周病って、遺伝よりも生活習慣や家族間の感染のほうがむしろ影響大!
家族そろって治療&予防をはじめましょう!”
http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/