80才になってもリンゴを丸かじりする方法。その1(何故こんなにも歯の寿命は短いのか?)

患者さんから受ける質問の中で、一番多いものは「この歯は抜かずに治りませんか?」です。 その度に、「残念ですけれど、抜くことに成ります」と、お答えすることになります。 このような悲劇的な会話は、毎日の診療の中で、一度はあります。 すでに多くの方々が体験したことがあるかもしれないこのような会話は、これから先も続いていくでしょう。そして、私の医院に訪れる患者さんの中にも、将来の抜歯予備軍の方が少なからず見受けられます。 このような悲劇が何故くり返されるのか? どうしたら食い止めることができるのか? 歯科医師として悩める毎日です。 皆さんは、歯の寿命についてご存知ですか? 歯の平均寿命については、厚生労働省の歯科実態調査の中に細かく明記されています。 ズバリ一番寿命の短い歯は、下の最も奥歯で50年です。 一番寿命の長い歯でも、下の犬歯で66年です。 これは、歯が萌出完了してから抜け落ちるまでの年数を表しています。、全ての歯牙の平均寿命は平均すると約58年となります。どう考えても人間の生命の平均寿命の約80歳になる頃には、ほとんどの歯が抜け落ちてしまうことが証明されてしまっています。いったい何故このような結果が出てしまっているのでしょうか? これだけ多くの歯科医院があるのに、どうして80歳まで歯を長持ちさせることができないのでしょうか。どうすれば歯を長持ちさせられるのでしょうか。 その答えは、1つです。 患者さん側と歯科医師側双方が、お口の中の健康に対する意識を変えることです。 今までの考えを変えることが、お口の健康への第一歩になるのです。 まず最初に、患者さん側が意識を変えるとは、いったいどのようなことなのでしょうか? 今まで歯科医院に通院するのは、「歯が痛い、腫れた、歯に穴が開いた、銀歯が取れた・・・」 など、何かお口の中で困ったことが起きた時だったのではないでしょうか? つまり早お口のぐあいが悪くなると行く、『修理工場』のような利用をされている方がほとんどだと思います。これでは、歯の健康を長く保つことは難しいでしょう。 なぜなら歯やお口の環境が『悪くなってから』では、たいてい健康な歯を残すには手遅れのことが多いからです。このようなパターンが多いため、冒頭の「この歯は抜かずに治まりませんか?」という会話がなくならないのです。 それでは、いったいどうしたら良いのでしょう。 今までの歯科医院の「悪くなったら行く」修理工場としての利用の仕方から、「悪くなる前に行く」早期発見、早期治療へのメインテナンス型へと利用の仕方を変えるべきでしょう。 つまり、「歯やお口の中の環境が悪くなる前に歯科医院へ定期的に来院する」という意識の変化が絶対必要です。このことは、北欧の予防先進諸国では当たり前のことです。日本の歯科医院でも患者さんの「お口の健康を守る」ために、予防歯科は標準的になりつつあります。これが、本来の歯科医院のあるべき姿なのです。 それでは、次に歯科医院側はどのような意識を持つべきなのでしょうか? そして、何が必要なのでしょうか? 私たち歯科医師に求められることは、来院された患者さんのお口の中の10年後20年後を予知して、 治療を提案させていただくことです。 つまり、その場限りの「痛い歯だけを治す」といった局所的治療だけでは事足りません。 『木を見て森を見ず』という言葉がありますが、歯科医師は、患者さんの生活習慣、全身の健康状態などを考慮し、長期的視点を持って、お口の健康を生涯維持するための治療の提案が必要と考えています。 そこで減殺横浜歯科クリニックでは、『80歳になってもリンゴを丸かじりする」という目標を掲げています。 それは無理な話じゃないか?歯の丈夫な人のみ達成可能な話じゃないの?と思われる方が多いと思います。しかし、私は実現可能だと思っています。実際、80歳を過ぎても口の健康を保たれている方々がたくさんいます。 それでは、どうすれば良いのかをこれから具体的にお話しさせていただきます。 実はそんなに難しい話ではありません。2つのポイントさえ押さえておけば、歯は長く持つのです。 そのポイントとは、 ①噛んだ時に歯に伝わる力のコントロール ~噛んだ時に歯に伝わる力のコントロールとは前後左右にバランス良く、1本でも多くの歯を噛み合わせに参加させること~ ➁バイ菌(炎症)のコントロール ~虫歯菌や歯周病菌をお口の中に停滞させないための環境づくり~ ①②のポイントを基に、お口の中の環境を整え、治療計画を立案し実行することが最も大切なことです。 「言うは易し行うは難し」決して楽な道のりではないかもしれません。受け入れること困難こともあるかと思います。登山でも山頂へたどりつくまでは簡単ではありません。 しかし山の頂上の景色は格別ですよね。 これからの歯科医院は、一人でも多くの方々が生涯に渡って、楽しく快適な食生活ができるようにサポートすることが役割と考えています。 では噛んだ時に歯に伝わる力のコントロール、バイ菌(炎症)のコントロールとは具体的にどのような治療なのかをお話ししていきたいと思います。 http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/ (80才になってもリンゴを丸かじりする方法その2に続く。)