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むし歯菌の親子感染の恐ろしとは?

近年、むし歯は「感染症」という病気の一種であることが分かってきました。「感染症」とは、細 菌、ウイルスなどの病原体が体内に侵入し、増殖することにより引き起こされる病気を言います。 むし歯は、病原体であるミュータンス菌が、ある日どこからかお口の中に侵入して棲みつくことに より発症します。赤ちゃんは無菌的な状態で生まれてくるので、生まれたばかりの赤ちゃんのお口 の中を調べてみてもミュータンス菌は一つも存在しません。ミュータンス菌がいなければむし歯に ならないはずなのに、どうしてむし歯になってしまうのでしょうか? それは、ミュータンス菌は唾液によって人から人へと伝播(でんぱ)していくからです。特にお母 さんから子どもへの感染(母子感染)が一番多いようで、食事の時に同じお箸やスプーンをお母さ んと子どもが一緒に使うことで、子どもへ伝播することが分かっています。ミュータンス菌は、硬 い組織(歯のエナメル質)にしか定着できないという特徴を持っているので、歯の生えた1歳半?2 歳半(この時期は「感染の窓」と呼ばれています)に感染することも分かっています。 ミュータンス菌が多くむし歯の多いお母さんは、大切な子どもの歯を守るためにも、歯医者さんで むし歯治療をしたり、歯のクリーニングをするなど自分のお口の中を、むし歯になりにくい環境に整 え、健康管理や生活習慣に十分気を付けることがとても大切です。ミュータンス菌は、赤ちゃんに 歯が生えてくるのを待っているのかも知れません。 むし歯予防のプログラムを実施し、ミュータンス菌を減らしたお母さんからは、子どもへの感染が 低下することも分かっているので、お母さんのお口の状態が子どもに影響を与えることは明らかで す。子どもたちがむし歯になるのは、実はお母さんのせい?だなんて考えたら、日々の歯みがきも 疎かにできませんよね。むし歯菌となるミュータンス菌は歯垢(プラーク)中に住み着いています ので、日々の歯みがきでしっかりと歯垢を取り除くことが重要です。

スタッフのみんなと食事会をしました。

横浜歯科クリニックのスタッフ一同と栄区内のしゃぶしゃぶ屋さんで、食事会をいたしました。以前よりこのお店に食事に行きたいと、スタッフより要望がありましたが、なかなか時間の確保が 上手くできずにようやく実現いたしました。プロが作る鍋料理や炉端焼きなど、普段家庭では なかなか食べることのできない料理のオンパレードで、スタッフ一同大満足です。また果汁 100%のオレンジジュース(搾りたて)に全員感動です。スタッフあっての横浜歯科クリニック です。これからもスタッフの活躍に期待したいものです。

当院での勉強会の風景です。(その1)

2月上旬に横浜歯科クリニックでは、器具の滅菌や院内感染対策について勉強会を行いました。この 日は休診日にもかかわらず、スタッフは 全員参加して熱心に学ぶ姿に関心です。 勉強の内容は、器具の滅菌を高度に行う にはどのようにすべきか? 感染症対策等です。日々診療を行う上で 患者様やスタッフの安全性をより高めていく うえで、何が必要かを再認識できる貴重な 1日でした。これからもよりレベルの高い、 そしてより安全な医療体制を目指して、院長、スタッフ一同精進してまいります。

知らないと損する歯肉炎のメカニズム

歯ぐきの色が変わったり、触れると弾力がなくブヨブヨして腫れていたり、歯みがきの時に血が出 るような症状(歯ぐきからの出血)が一つでもある人は、すでに「歯肉炎」を起こしているかも知 れません。 その歯肉炎が起こるのは、歯に付着した歯垢がはじまりです。ブラッシング不足のためや取り除き にくい部分に歯垢が溜まってくると、その歯垢へのカルシウム沈着により歯と歯茎の隙間で歯石に なったりします。 この歯垢と歯石の中には細菌がいっぱい入っています。細菌から出てきた毒素によって歯茎が冒さ れ、炎症が起きて赤く腫れ上がっていまうのが歯肉炎のことです。こうなってしまっては、美味し く食事もとれず、明るく笑うこともできなくなってしまいますね。 健康な歯茎を歯肉炎から守るのに、毎日の丁寧なブラッシングが欠かせません。 また歯垢を残さないように、歯と歯との間や歯と歯茎の境目の磨きにくいところはデンタルフロス などを使うことが大切です。また歯茎の病気は、栄養の偏りやストレスなどにより、身体の抵抗力 が弱まるとなりやすくなるので、栄養のバランスを考え、身体の抵抗力をつけて、健康な身体を保 つことも大切です。

むし歯菌について知っておこう

お口の中には、約500種類の細菌が共生しています。唾液1mlの中には1億個以上という、想像もつ かない数になっています。 これらの口腔常在菌は、一定した存在比率を保った口腔内細菌叢(口腔内フローラ)を形成してい ますが、その中には私達の健康に役立つ善玉菌もいれば、むし歯や歯周病を引き起こす悪玉菌もい ます。よく知られているのが、むし歯の原因菌の代表であるミュータンス菌(Mutans Streptococcus系)です。 ミュータンス菌は、歯の表面に付着して初めて増殖できるという特性があり、生まれたばかりの赤 ちゃんのお口の中にはまだミュータンス菌はいません。それは歯が生えていないのでミュータンス 菌が付着できないからです。 乳歯が生える生後半年頃から、親が噛み砕いた食事を与えることなどによってミュータンス菌が子 供に移ると、歯に付着して増殖します。つまり、むし歯の発生は感染症による物です。 ミュータンス菌は0.5?10μmの球状の菌体が横につながった連鎖球菌で、以下のような特徴があり ます。 1.歯面への強い付着能 菌体表層に存在するタンパク抗原(PAc)で歯面に付着する。グルコシルトランスフェラーゼ (GTF)酵素でショ糖からの粘着性の高いグルカンを産生する。 2.強い酸産生能 ショ糖、ブドウ糖、果糖から乳酸を産生する。また、環境にショ糖など豊富な場合は菌体内に多糖 体として貯蔵し、環境に糖がない場合は貯蔵しておいた多糖体から酸を産生し続ける。 3.歯面でのバイオフィルム形成能 産生したグルカンによって、口腔内の菌体を付着、増殖させデンタルプラーク(バイオフィルム) を形成する。 特に、むし歯原因菌の病原性は、食物中の糖分から非水溶性グルカンという物質を産生するところ にあります。非水溶性グルカンは粘着性が高く、きわめて固体に付着しやすい多糖体で、水に溶け ません。むし歯原因菌の存在率が高いバイオフィルムでは、それらが産生した酸が唾液などの外部 刺激によって拡散することなく、その濃度が上昇し、歯のエナメル質を溶かしてむし歯を引き起こ します。 また、口腔内のむし歯原因菌の数量とむし歯のなりやすさ(むし歯リスク)には関係があり、唾液 1mLあたりの菌数が103?106個の範囲ではむし歯のリスクの低い環境といえますが、106個を超え る場合ではむし歯のリスクの高い口腔環境であると言えます。 その他、乳酸桿菌(ラクトバチルス菌Lactobacillus)は、酸を産生する性質をもつものの、感染の 第1歩である歯面への定着性が低いため、平滑歯面におけるむし歯原因菌とは考えられていません。 ただし、エナメル質や象牙質のむし歯部分から高頻度で検出されているため、むし歯の拡大に関与 していると考えられています。  

知らないと損する歯垢 歯石の恐ろしさとは?

歯垢(しこう) 歯みがきをさぼったときに歯の表面がネバネバします。 それはむし歯の最も重要な原因である歯垢の形成によるものです。 歯垢は近頃、「プラーク」や「バイオフィルム」と呼ばれることもあります。その正体はむし歯菌 や歯周病菌の塊で、1gの歯垢の中には約1000億個以上の菌がいるといわれています。 約300年前の1683年には、オランダ人のアントニー・ヴァン・リーウェンホークによって、 歯垢の中には丸い形の菌、細長い形の菌、ラセン状の菌がいると報告されています。 歯垢の約75%が菌、そして約20%は菌が作り出した粘膜物質(グルカンやフルクタンという多糖 類)で、これが歯表面のネバネバの原因となります。この粘膜物質は菌にとってとても重要で、外 界からの影響を受けなくするバリアーの役目をします。 このバリアーができてしまうからこそ、唾液が浸入できなくなり、菌の作った酸が歯垢の中に溜ま り、歯の表面のエナメル質を溶かし、むし歯が発生することがあります。 歯垢を除去することは、むし歯予防の絶対条件なのです。 また、歯垢の中に含まれている一部の菌種が、心臓や脳などの疾病の起きた病変部に発見されてい ます。このことから、現在は歯垢とこれらの病気との因果関係を解明すべく、多くの研究が進めら れています。じつは歯垢は、お口の中だけの問題ではないようです。 歯石 「歯石」というと、「歯の石」と書くぐらいですから硬いものを想像すると思いますが、どうして できるのでしょうか? 身体全体を考えると、腎臓や胆嚢などの臓器にも「石」ができます。腎臓結石と大部分はしゅう酸 カルシウムという化合物から石ができ、胆嚢結石の場合は、コレステロールが原因でできるそうで す。では、お口の中でできる「歯石」はどうでしょう? 歯石ができはじめるのは、歯垢が最大の原因です。歯石がいきなりできるのではなく、まず歯の表 面に歯垢ができて放置されているとその歯垢の中に唾液からカルシウムとリンが沈着し、どんどん 硬くなっていくことで歯石という塊になってしまいます。 一般的に歯石のできやすい場所は歯垢の取りにくいところ、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目です。 そして歯垢と同じように歯石の中は細菌だらけです。 特に歯周病を引き起こす原因菌のすみかとなっています。ですから歯と歯ぐきの境目に歯石ができ ると、歯茎が腫れ、歯周病になってしまうことがあります。そしてそのままにしておくと、歯を支 えている骨が溶けて歯が抜けてしまうことさえあります。 歯石が厄介なのは、一度できてしまうと歯医者さんに取り除いてもらうしかないという点にありま す。歯と歯ぐきの健康を守るために、できてしまった歯石を取り除いてもらい新たな歯垢と歯石の 形成を防ぐことが大切です。 ちなみに古代人のミイラからも歯石が見つかっており、あのヒボクラテスも「歯石は歯肉の炎症を 引き起こす」と指摘しています。古代の人々も歯石によって引き起こされる歯周病に悩まされてい たことがわかります。歯垢は、エナメル質の表面に唾液中の細菌が付着して始まり、最初に付着し た細菌が増殖して小さな半球状のかたまりをつくります。 この歯垢は、唾液から新たな細菌を取り込み増殖を繰り返しながら、エナメル質の表面を広く厚く 覆うようになります。そして歯面を広く覆った歯垢は、むし歯や歯周病など様々な疾患、さらに口 臭の原因になると言われています。 ですから歯垢の形成を抑え、除去することが、むし歯や歯周病を予防しお口の健康を守る一手段に なります。 歯垢を取り除くには、歯ブラシやフロスなどを使ったケアが必要です。歯ブラシが届かない部分に は、歯垢(むし歯菌や多糖類)を選択的に吸着して除去する成分を配合した歯みがき剤を使用する ことでも、歯垢を減らすことができます。 歯垢が付着して2?14日頃からしだいに硬くなっていくと言われています。 歯石になってしまってからでは、個人で行うブラッシングなどで除去することが出来ず、歯科医院 で機械的に除去してもらわなければなりません。歯石になる前の歯垢の吸着除去がとても大切で す。  

そもそも虫歯ってどういうことなの?

むし歯 むし歯(むし歯、う蝕、齲蝕)とは、むし歯の主な原因菌とされるミュータンス菌が作り出すプラー クから発生する酸により、歯が溶かされ(脱灰)穴の開いた状態をいいます。 通常は脱灰の状態から、唾液の再石灰化(再結晶化)の働きにより元の状態に戻されますが、再石 灰化が脱灰に追いつかなくなった時、歯のエナメル質に穴が開き、むし歯の状態になってしまいま す。 初期むし歯 むし歯とは、歯にぽっかり穴があいてしまい黒くて痛くなるところだと誰もが分かります。 では、最近よく聞く「初期むし歯」とは何でしょうか?これを理解すると、大切な歯をむし歯から 守ってあげることができます。なぜなら初期むし歯とは、穴があいてしまい、歯医者さんの治療が 必要となるむし歯より一歩手前の状態で、まだ自然治癒が可能な段階だからです。 初期むし歯の状態は、歯の表面の少し内側からミネラル成分が溶け出す脱灰によって起きます。 そのままミネラル損失が続くと、やがて歯の表面に穴があいて、実際のむし歯になってしまいま す。 初期むし歯も実際のむし歯も、その発生のメカニズムは同じです。 お口の中には、むし歯の原因となる細菌やその細菌の栄養となる糖分がなければ、むし歯にはなり ません。むし歯の元凶であり、主な原因菌とされているミュータンス菌は歯の表面で増殖し「プ ラーク」と呼ばれる糊状の物質(不溶性グルカン)を作り、歯に強固に付着する歯垢を形成しま す。 そして、この歯垢の中でさらにミュータンス菌が栄養となる糖分を分解し、酸を作り出して歯のハ イドロキシアパタイト結晶を溶かしてしまいます。このようにできる表層下脱灰層は初期むし歯の ことで、肉眼的に区別しにくいものですが、歯の表面の白く濁った白斑のように見えます。 ここで一番重要なのは、初期むし歯は実際のむし歯への進行を防ぐことができる、ということで す。まず歯垢を(特に歯と歯のあいだの隙間から)除去し、脱灰層にミネラルを運ぶ唾液が接しや すい状態にすることが大切です。また間食や糖分の摂取を減らすこと。食後の歯みがきをきちんと することは、初期むし歯を健全な歯へと回復(再石灰化)させることなのです。 もちろん、再石灰化を促進するフッ素や再石灰化作用のある薬用ハイドロキシアパタイトが配合さ れている歯みがき剤はお勧めです。 脱灰 私たちが食事をした後、お口の中では、微細ですが劇的な変化が起きます。 歯垢内の細菌が、食べ物の糖(炭水化物)を摂り込み、酸を作り出します。そしてこの酸が歯のエ ナメル質を溶かしてしまします。 大人の成熟した健康なエナメル質では、pH(ペーハー)5.5?5.7以下になるとエナメル質を構成し ているハイドロキシアパタイトの結晶からカルシウムイオンとリン酸イオンが溶け出して、「脱 灰」という現象が起こります。 脱灰が起こる場所は、エナメル質に付着した歯垢のすぐ下で、表面からではなく、表層の少し内側 からです。そこで生じる「表層下脱灰層」というのは初期むし歯のことです。 歯のレントゲン写真の黒い部分は初期むし歯で、実際のむし歯になる一歩手前の状態です。肉眼で は区別しにくいのですが、健康なエナメル質と比べて初期むし歯のところは白く混濁していて、白 斑のように見えます。これは脱灰によりエナメル質の微小構造が乱れ、光の透過や屈折が悪くな り、本来の透明感と輝きが損なわれてしまったためです。 食後、唾液の働きで、酸性となっていたお口の中は中性側に戻り、また脱灰されていたエナメル質 にはカルシウムイオンとリン酸イオンが補給され、再石灰化が起こります。 ただ間食が多くお口の中の酸性状態が長く続いたり、また歯面に歯垢が付着したままにしておくと 脱灰がさらに進行し、唾液がついて行かず、実際のむし歯になってしまいます。 白斑 白斑はエナメル質表面で見られる白色不透明な斑です。白斑はエナメル質の初期むし歯でみられ、 脱灰によりエナメル質表面や表層下に微小な凹凸が形成され、光の反射に変化が生じた結果です。 脱灰エナメル質の再石灰化が促進すると、失われた脱灰部全体のミネラルが供給され回復し、この 状態になると白斑は、色調もミネラル量も健全歯なみに回復するようになります。  

歯周病の予防

口の中にはたくさんの細菌がいます。この菌を増やさないために口内を清潔に保つことが大切で す。 歯みがきは毎食後、また就寝前は特に丁寧にされることをおすすめいたします。http://www.cyber-digital.jp/dental-flash/01kinou/kinou_tokutyou.html#contents 歯に対して直角に歯ブラシをあて、歯ブラシの毛先が歯のすき間に入るようにし、やさしく小刻みに手をふるわせるようにして歯磨きします。 目安は1本の歯で20回ぐらいです。 歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットといわれる部分は、45度の角度で歯ブラシをあて、こちらも1本 の歯で20回ぐらい、やさしく小刻みに手をふるわせ、マッサージするように歯みがきしてくださ い。 歯みがき剤は殺菌作用のある薬用成分を配合したものを使うのも有効です。アパガードには殺菌作 用のある薬用成分塩化セチルピリニジウムを配合しています。 そのほか歯間ブラシ、デンタルフロス、洗口液などを使うと有効とされています。 自分できれいに磨けているつもりでも、汚れが残ってしまっているものです。歯垢が歯石になって しまった場合は、歯みがきでは取れません。歯石がついていなくても、年に3~4回は歯科へ定期検 診に行かれることをおすすめいたします。 また歯周病は、喫煙、間食が多い、ストレスなどでリスクが高くなるといわれています。悪影響を 与えない生活を送ることを心がけましょう。

そもそも虫歯治療て何やるの

むし歯の治療は、むし歯の進行度に合わせて最適な 治療を行ってくれる歯医者さんで治療を受ける のがベストです。あなたがもし治療を受ける場 合、できるだけ痛みを少なくした治療を望みま せんか?そして、できるだけ良い状態で自分の 歯を残したいと考えるはずです。 例えば、むし歯になりかけのような状態であった 場合、『自然治癒』で治すという方法が最近行 われています。現代では、このようにむし歯の状 態を見極めた最適な治療が行われているので す。そして、患者さんの負担を減らすための痛 みを抑えた治療が進められてきています。 もし、歯医者さんへ行ってすぐにむし歯を削られ そうになったり、神経を抜かれそうになった場 合は、他に選択肢はないのかと考えてみること も大切です。 この記事では、現在、歯医者さんで行われてい る基本的なむし歯治療のやり方だけでなく、患者 さんの気持ちを考えた『無痛治療』の中身、さらに、できるだけ歯を削らないで済む治療方法まで 紹介しています。また、妊婦さんのためのむし歯治療や、幼児のためのむし歯治療についても記載して います。ぜひ読んで参考にしてみてください。 1.むし歯の進行度を5段階に分類!それぞれの治療法を一挙公開! むし歯に気付くタイミングは人によってそれぞれ違うと思いますが、気付いたときにすぐ治療を始め ないと、むし歯はどんどん進行して取り返しのつかないことになりかねません。ここでは、そのむし歯 の進行度を5段階にわけ、レベルを『CO?C4』と表しています。 ここで使われる『C』とは、むし歯を意味する歯医者さんの専門用語『カリエス』の頭文字から取って います。歯医者さんではこの『C』という記号を用いて治療を進めていきます。それでは、そのレベ ルに合わせた治療法を一挙にここで紹介します!

1?1むし歯レベル『CO?C1』むし歯になりかけの状態

COとは歯の表面が白くなり、溝が黒くなり始めた状態は”むし歯になりかけの状態”といえます。厳密

にはむし歯ではないこの状態は痛みを感じず、削らずに『自然治癒』を行うのがベストな選択です。

又C1とは、歯の表面のエナメル質が少し溶け始めのごく浅いむし歯です。

◆治療法

むし歯のなりかけを治療するには『フッ素』を塗って歯の再石灰化を促進させることが一番です。

フッ素を塗ることで歯にミネラルを与えることができます。これによりむし歯になりかけていた状態

が改善され、侵攻を防いでくれます。

フッ素の塗布は、歯医者さんで行ってくれます。歯医者さんで使用しているフッ素は、その濃度が

市販で売られているのよりも高いことが特徴です。これにより、歯質を強くさせる効果が期待でき

ます。

ただ、市販で売られているフッ素配合の歯磨き粉であっても、使用し続けることではの再石灰化を

促したり、酸が作られるのを防ぐことができます。歯磨きを行う際、歯磨き粉を使用しなくても良

いと考える方もいると思いますが、最近の歯磨き粉はフッ素配合のものが多く販売させていますの

で、歯磨きの際にはぜひ歯磨き粉を活用することをおすすめします。

フッ素による『自然治癒』が効果的であることがわかりましたが、そのあとのむし歯予防はしっかり

と行わなければなりません。歯医者さんで定期検診を行うことも大切になってきます。

1?2むし歯レベル『C2』黒や茶色に変色して小さく穴が空いてしまった状態

むし歯になりかけていた状態から、歯に小さく穴が空いてしまった状態です。この穴は黒や茶色に変

色していますが、表面のエナメル質から象牙質に達するむし歯です。冷たい飲み物がしみる可能性は

あります。

◆治療法

再石灰化で自然治癒させるのが難しい状態です。「セルフケア」だけでは限界なので、歯医者さん

で治療してもらいましょう。歯医者さんでの治療といっても、通院2回の簡単な治療で治すことがで

きます。

【1回目】

麻酔を施し、むし歯になってしまった部分を削って除去します。むし歯の部分がなくなり穴の空いたま

まの歯の型を取ってから、それに適合した詰め物(インレー)を調べておき、後日その詰め物を使

用します。その間、歯には仮の詰め物を入れておくようにします。

【2回目】

一週間ほど経過したあと、2回目の治療を行います。歯から仮の詰め物を取り外し、用意していた詰

め物を入れて噛み合わせの調整などを行います。最後にセメントを流し込んで詰め物を固定させま

す。

◆『コンポジットレジン』を使った治療法

小さく穴が空いてしまっただけの歯の場合、『コンポジットレジン』というプラスチックを詰めて

修復するやり方があります。従来のむし歯治療には金属の詰め物を使用するのが一般的でしたが、コ

ンポジットレジンは本物の歯と同じに近い色で修復が可能なため、きれいに仕上げることができま

す。治療回数も『1回』で済み、保険が適用されるので約2,000円で治療が可能です。

ただ強度に関しては金属よりも弱く、時間の経過と共に変色してしまいます。大きなむし歯を治療す

る場合は、割れてしまう可能性があるため使用できません。

1?3むし歯レベル『C3』むし歯が歯髄にまで達し激痛を伴う状態

むし歯が歯髄まで達すると激痛を伴います。常時痛みを伴うこの状態では、すぐに歯医者さんへ行け

ない場合、『ロキソニン』などの鎮痛剤を飲んで”応急処置”をするしかありません。

◆治療法

むし歯になった部分を除去したあと、「リーマー」と呼ばれる針状の特殊な器具を使い、歯髄の中を

ほじるようにしてきれいにします。そのためには歯髄の長さを測ったり、レントゲンを撮ったりし

て状態を確認していきます。

きれいになった歯髄の中に薬剤を入れて消毒したあとは、被せ物を使用します。5日間程の治療期

間を要するため、この状態での治療は、精神的にも肉体的にも負担になるといえるでしょう。

1?4むし歯レベル『C4』歯冠部まで溶けてしまった末期の状態

むし歯レベルを5段階に分けたなかの最終段階です。ここまでくると歯冠部まで溶けて、歯髄も死ん

だ状態になってしまい、痛みさえも感じなくなります。やがて歯の根までむし歯が進行し、歯根膜の

化膿で膿が出るようになります。

◆治療法

『C4』までくると、やはり治療は難しくなってきます。歯が少しでも残っていれば被せ物を使用で

きる可能性もありますが、残っていなければ抜歯をし、その後「ブリッジ」や「入れ歯」、「イン

プラント」で歯の機能を取り戻す治療をすることになります。

2.『無痛治療』に欠かせない!むし歯治療の麻酔について知っておこう!

むし歯の治療には「麻酔」が欠かせません。麻酔液を注入することで痛みを感じずに治療を受けられ

るのです。ただ、麻酔注射の「チク!」とする感触がイヤだという”注射恐怖症”の方にとっては、

なかなか歯医者さんへ行く勇気が持てずにむし歯を放置している場合があるかもしれません。

ただ、歯医者さんで使われている麻酔は近年進化を遂げていて、痛みを緩和できる技術が生まれて

きています。『無痛治療』が重視され、恐怖心を取り除く治療の進め方は、”歯医者さん嫌い”をな

くす取り組みでもあると考えられます。

2?1チクッ!とした痛みを軽減!『表面麻酔』は優れもの

”麻酔(注射)のための麻酔”ともいうべき、『表面麻酔』を知っていますか?歯肉の表面にゼリー

状の薬を塗って、注射を刺すときの痛みを軽減してくれるのが、この表面麻酔です。お子さんの乳

歯を抜くようなときは、この表面麻酔を塗るだけで効果を発揮してくれます。

2?2電動注射器を使った麻酔方法?浸潤麻酔と伝達麻酔?

◆歯医者さんで行う一般的な麻酔が『浸潤麻酔(しんじゅいますい)』

表面麻酔を塗ったあとに行うのが、『浸潤麻酔(しんじゅんますい)』という、いわゆる歯医者さ

んで行う一般的な麻酔です。以前はこの浸潤麻酔を嫌がる患者さんが多くいましたが、最近では麻

酔液を注入する針が”細く”なり、電動注射液によって一定の速度でゆっくり液体を注入することが

できるので、痛さを軽減できるようになりました。

◆資料後の痛みまで緩和させる『伝達麻酔』

浸潤麻酔よりも広範囲に効き目をもたらす『伝達麻酔』があります。これは、麻酔が効きにくい箇

所である下顎の奥歯に注射するのに有効的で、浸潤麻酔に加えてこの麻酔液を注入すれば、治療後

の痛みまで緩和できるのです。この効果により、治療後に出される「鎮痛剤」を減らすことができ

るという利点が生まれるのです。

2?3「皮質骨」が硬い人と「炎症」がある人は、麻酔が効きにくい!

麻酔が効きにくい人という人が実は存在します。それは、歯を支えている「歯槽骨(しそうこ

つ)」の周りにある「皮質骨(ひしつこつ)」が硬く厚みがあると、麻酔が効きにくいという事実

です。皮質骨が硬く厚みがあるのは歯にとって良いことですが、麻酔注射の際にはデメリットに

なってしまいます。

また、歯茎に炎症があると麻酔が効きにくくなってしまいます。炎症が起きてひどくならないうち

に、早めの治療をしてもらう方がいいでしょう。

◆麻酔が効きにくい人には『歯根膜注射』を施す

上記のような麻酔が効きにくい人には、『歯根膜注射』を行います。歯根膜内に注射するこの方法

は、効き目が早く、薬の量が少なく済むという利点を持っています。

3.妊婦さんのためのむし歯治療について

もうすぐお母さんになる女性にとって、妊婦中は何かとデリケートになる時期だと思います。そん

なときにもしむし歯になってしまった場合『普通に歯医者さんで治療を受けられるの?』『レントゲ

ンを撮るときに、お腹の赤ちゃんが心配・・・』と悩む方も多いと思います。

この章ではそんな「妊婦さんのためのむし歯治療」について紹介していきます。

◆妊娠しても歯医者さんで治療は受けられるの?

たとえ妊婦さんであっても、むし歯治療を受けることは可能です。ただ、妊娠初期(2?3ヶ月)の

場合、「つわり」の影響で歯磨きさえも行えないほど体調のバランスが崩れることがあります。も

しむし歯治療を受ける場合は、”応急処置”程度の治療で済ませ、妊娠中期(4?7ヶ月)の安定期に

入った時点で治療を行うのが好ましいといえます。妊娠後期(8?10ヶ月)は母体への影響を配

慮し、初期と同じように”応急処置”で済ませます。

また、歯医者さんで治療を行う前に書く「問診票」には、『自分が妊娠何ヶ月(何週目)なの

か?』『産婦人科の主治医は誰か?』をきちんと記入することが大切です。そして、治療を受ける

前に歯医者さんとしっかり相談をして、治療中は自分にとって一番楽な姿勢で受けるようにしま

しょう。

◆「レントゲン撮影」はお腹の赤ちゃんに影響しないの?

歯医者さんの「レントゲン撮影」は口に向けて行うため、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えることは

ありません。また、被爆を防ぐための”鉛のエプロン”を首に掛けるので、安全性に配慮した撮影と

なっています。

◆治療時の麻酔はお腹の赤ちゃんに悪影響を与えないの?

むし歯治療の際に行う麻酔は、部分的に麻酔液を注入する「局所麻酔」なので、お腹の赤ちゃんに悪

影響を及ぼしません。胎盤や母乳を通して麻酔が送られることはないので安心です。

◆歯医者さんで処方される鎮痛剤は安全なの?

妊婦さんに対して、歯医者さんでは処方する鎮痛剤に関しても安全なものを提供しています。安全

なお薬として「カロナール」という鎮痛剤がよく使われますが、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えた

という報告も一切されていません。

逆に妊婦さんには不適切なお薬もあります。「ボルタレン」という高い鎮痛効果を発揮できるお薬

ですが、過去に死産の報告があったことから、妊婦さんには絶対に使用しないことになっていま

す。また、私たちがよく耳にする「ロキソニン」も、妊娠後期での使用が禁止されています。

治療後の痛みを我慢してお薬を飲まないでいると、逆にお腹の赤ちゃんに悪影響を与える場合があ

ります。お母さん自身の身体を大事にすることは、生まれてくる赤ちゃんにとっても重要なことで

す。お薬についてどうしても心配な方は、産婦人科の主治医に一度確認してみるのも良いでしょ

う。

4.幼児のためのむし歯治療について

幼児期はむし歯の進行が早く、エナメル質と象牙質が大人より薄いために、すぐにむし歯が神経にまで

達してしまいます。また、むし歯の部分が大人のように黒くなるのではなく、白く見えるのが特徴

で、奥歯と奥歯の間が一番むし歯になりやすい箇所だといわれています。そんな乳歯のむし歯治療のや

り方についてこれから紹介していきます。

4?1乳歯の初期むし歯には『フッ素』が効果的!

乳歯の初期むし歯は、歯が白く濁ったように見えるのが特徴です。この状態を改善させるには、歯医

者さんで『フッ素』を塗ってもらい、歯を強化させることが最適な治療法です。

乳歯は大人の永久歯よりも溶けやすく、むし歯の進行も早いので、『フッ素』を塗ることで健康な歯

を取り戻すことができます。

4?2乳歯のむし歯が進行すると、永久歯の「変色」や「歯並び」も悪くなる!

もしむし歯が進行した場合、神経に達していなければ、むし歯の部分を取り除いてプラスチックを詰め

ていく治療を行っていきます。

しかし、むし歯がさらに進行して歯の根っこまで侵されてしまうと、根っこの先に膿が溜まり、これ

から生えてくる永久歯にまで悪影響を及ぼします。そのリスクとは、永久歯の「変色」や「歯並

び」が悪くなってしまうという問題です。そのため、神経を取り除く治療は適切に行わなければい

けません。

ただ、乳歯の神経を抜いたからといって、これから生えてくる永久歯の神経もなくなるというわけ

ではありませんので、心配する必要はありません。

4?3乳歯のむし歯予防のために行う『フッ素』と『シーラント』

歯医者さんは、小さいお子さんにとって恐怖心を抱いてしまう対象です。歯医者さんでできるだけ

痛みの少ない治療を行ってもらうためには、早めの治療が大切になってきます。そして、日頃の虫

歯ケアをきちんと行って予防につなげていきましょう。

幼児のむし歯予防として代表的なものは、初期むし歯の治療でも紹介した『フッ素』を塗布することで

す。歯医者さんで3ヶ月ごとにフッ素を塗ってもらい、むし歯の発生を防ぎます。フッ素を塗るだけ

なら痛みを感じませんし、定期的に歯医者さんへ通うことにより恐怖心を取り除く効果も期待でき

ます。また、自宅でフッ素配合の歯磨き粉を使って予防することも可能です。

フッ素以外にも『シーラント』と呼ばれる乳歯のむし歯予防があります。シーラントとは、乳歯の虫

歯ができやすい奥歯の溝の部分にプラスチックを埋め込み、その溝から発生するむし歯を予防すると

いう方法です。予防効果が発揮されるのは歯の溝の部分のみとなります。

シーラントの治療費ですが、年齢制限が設けられており、保険が適用されるのが6?12歳とさ

れ、初期むし歯と診断された場合のみとなっています。適用されると、歯1本に対して400円ほどで

治療が受けられます。保険外で受ける場合は年齢制限がありませんが、歯1本に対し500?

2000円ほどの費用が掛かります。

5.まとめ

むし歯治療の歴史をさかのぼると、麻酔を使わずに治療を行ったり、平気で抜歯をしていた時代も

あったといわれれいます。しかし、現代では麻酔時の注射にさえ気を使い、痛みを緩和できる技術

が誕生しています。そして、むし歯の進行度や状況に応じて適切な治療を施し、私たちの大切な歯を

できるだけ良い状態で残すために、歯医者さんは努めてくれます。

むし歯治療の技術は今後更に進化を重ねていくでしょう。ただ、どんなに医療技術が進歩したとして

も、自分の歯を自分で守っていく気持ちは不変でなければいけないと思います。