もちろんこれはあくまでも平均値です。
お口の中の状態や、定期検診、定期クリーニング等の受診の状態、歯ブラシの状態によって変わり
ます。
これより早く取れたり、壊れたりする場合もあれば、何十年と問題なく使っている人もいます。
ではなぜ治療した歯ほど寿命が短いのでしょうか?
実は保険で認められている金属はあまり良い材質ではありません。
保険適用の財源の問題で、「最高級のものでなく、最低限度のもの」という考え方がベースとなっ
てしまっているからです。
使っているうちに錆びてしまい金属アレルギーも引き起こすこともあります。
どんなに精度の高い銀歯を作製したとしても、ミクロの世界で歯と被せ物や詰め物の間に隙間がで
きてしまいます。
そこに、むし歯菌(ミュータンス菌やラクトバチラス菌)が入り込み、二次的にむし歯の再発が繰り返
されています。
そして再治療となると更に被害が拡大され、おおよそ神経を取る治療へと発展していきます。
神経を失った歯は歯に対して水分と栄養が行き届かなくなり、花で例えるとドライフラワーのよう
になってしまいます。
つまり簡単に歯が割れてしまい抜かざるえない状況 へと追い込まれて行きます。
神経の無い歯は、神経のある歯に比べ寿命は1/2以下となってしまうのが現状です。
当然歯を抜いてしまえば、次に行う処置はブリッジです。これは抜いた歯の前後(もしくは左右)
の歯を銀歯にして3~4本連結した被せ物のことです。
結局これも、平均8.0年くらいで、むし歯を再発させ再治療が行われています。
当然再治療時は前述と同様に被害は更に拡大され、歯の神経を取る治療となり、いずれその歯は割
れてしまいます。割れた歯は抜くこととなります。
ブリッジの次に行われる治療は部分入れ歯の作製です。部分入れ歯とは、針金のような金具を引っ
かけて、入れ歯を支えているわけですが、この金具を引っかけている歯が数年後にグラグラして抜
けていってしまうケースが大変多いのです。
これは、当然の原理で入れ歯に加わる咬んだ時の顎の筋力が、金具がかかっている歯に集中しすぎ
てしまい、力に歯が負けて抜けてしまいます。
そうすると、次に行う処置は新しい入れ歯の作製です。しかし、基本的な入れ歯の構造は変わるわ
けではないので、新たな歯に金具を引っかけるわけですが、この歯もいずれ抜けてしまいます。
この処置を繰り返し行っていくうちに総入れ歯へと発展していくケースが圧倒的に多いです。
こうした歯の喪失と同時に、平均寿命より健康寿命が短くなってしまうのが現代の日本人です。
もうお気づきいただけたでしょうか?総入れ歯の入り口は、ごく小さなむし歯の発生が原因である
ことも多いのです。
最初に発生した1本目のむし歯から、負の連鎖が始まり総入れ歯へと連動していく可能性があることを
覚えておいて下さい。
〇歯を失う負の連鎖を断ち切ろう
すでにむし歯が発生してしまっている人、もしくは多数の銀歯や入れ歯が入っている人でも悲観しな
いで下さい。
そのような方でも長期的に良好な状態を保っているケースもあるのです。
ポイントはご家庭でのお手入れ(ケア)と定期クリーニングの実行です。
どちらも別紙で詳しく解説してありますのでぜひ参照して下さい。
まずやらなければいけないことを簡単にまとめますと、
①お口全体の検査をしましょう。
②歯に付着している毒素(歯石)を根こそぎはがしとりましょう。
③必要があればむし歯の治療を受けましょう。
④定期的なクリーニング(メンテナンス)を受けましょう。
まずは、①~④を実践することです。そして今むし歯がないのであれば、1本目のむし歯をつくらないこ
と、そしてできるだけ早期(若いうち)に①~④を実行し、お口の健康を守っていきましょう。
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