お口のケアと寿命について

なぜ定期検診で長生きできるのか? 虫歯による歯の痛みは本当に辛いものです。治療時の麻酔をするときの痛み、ドリルでキーンと歯 を削る時の不快、歯を抜くときの恐怖感、二度と味わいたくものですよね。考えただけでもゾッと しませんか?できれば体験したくありませんよね。 歯や口の中を良好に保つことは、生活習慣や認知症を防ぎ、介護を必要としない幸せな人生を送るための大きなポイントとなります。 虫歯や歯周病などの疾患は、早期発見、早期治療が大切と思っている人も多いようですが、実はベ ストではありません。もっと大切なのはそのような状態をつくらないこと。予防こそが歯を守る最 高の対策なのです。特に寝る前の歯のケアは欠かさないようにしましょう。口の中の悪玉菌は、唾 液の分泌量が減少する就寝中に盛んに活動します。悪玉菌が蓄積された歯垢や、悪玉菌の毒素を製 造させる食べカスは就寝前にしっかり取り除いておきましょう。又糸ようじ(歯と歯の歯垢を取る 糸状の清掃用具)を使うこともお勧めです。歯ブラシだけでは落としにくい歯間の汚れを落とすこ とができ、歯垢の蓄積を防ぐのにとても有効です。この就寝前のブラッシング、毎日のデンタルフ ロスを使ったケアと死亡率との関係を調べた興味深いデータをご紹介しましょう。5611人の高齢者 を平均9年間にわたって調査した結果ですが、これによれば、就寝前に歯磨きをする人に比べ、全く しない人は20~30%死亡リスクが上昇したといいます。また、糸ようじを毎日使う人と比べて、全 く使わないひとは30%も死亡率が高くなったそうです。さらに2~3ヶ月に一度歯科でクリーニング を受けている人比較して、全く受診しない人は30%~50%も死亡のリスクが高くなったということ です。長生きしたければ、 ①就寝前は必ず歯磨き ②毎日糸ようじの使用 ③定期的(2~3ヶ月)の検診とクリーニング を実行しましょう。 (※参考分献「全ての病気は口の中から」米国抗加齢医学会認定医歯科医、森永宏喜著) 定期にプロのチェックとアドバイスを受け、丈夫な歯をキープして健康寿命を延ばすか、あるいは 生活習慣病や認知症で不健康な晩年を迎えるかは、あなたの心がけにかかっています。