
予防歯科の方程式 8
99%の人が知らない歯磨き粉の使い方

前回までのお話でカイスの輪につてお話させていただきました。
本日はそのカイスの輪が与える影響、つまり歯の表面では実際何が起こっているのかをお話しします。
基本的に人間は一日にご飯以外でも間食を含め何回も飲食を行います。食べたり飲んだりした回数
だけ歯の表面からカルシウムやミネラルが溶けだします。つまり
人間の口の中に炭水化物や糖質、でんぷん類が入ってきてそれを咀嚼していると、口の中(歯の表面)は酸性に変わります。例えば朝トーストを食べたとします。もぐもぐ咀嚼していると口の中は酸性に変わるわけです。酸は物を溶かす性質があります。例えば胃の中の胃酸という酸、あれは飲み込んだ食べ物を全部溶かしてしまいます。あとご家庭でお酢ありますよね、お酢も酢酸といわれている酸で、お酢の中に卵の殻をつけておくと卵の殻が全部溶けてなくなります。卵の殻はカルシウムの塊で歯と組成が似ています。お口の中も酸性に変わると、歯もカルシウムの塊なので歯の表面からカルシウムが必ず溶けてしまいます。これを脱灰といいます。ただ唾液の作用によって、酸性から中性の方向へ戻っていきます。そうなると唾液中にもカルシウムが含まれているので、唾液中のカルシウムを脱灰してしまった歯の表面にもらってきて再コーティングします、それを再石灰化といいます。
お昼ご飯も一緒です、カレーライスを食べたとします、口の中は酸性に変わり、また歯の表面からカルシウムが溶け出してしまいます。つまり脱灰が起きます。ただ唾液の力によって中性の方向へ戻っていくと唾液中に含まれているカルシウムをまた再吸収、再コーティングし、つまり再石灰化が起きます。夜ご飯も同じ現象が起こります。ただ一日たった3回しか食べたり飲んだりしないわけではないですよね。間食もしますよね。まず朝ごはん食べ、その後ちょっとおせんべいをつまんでカフェオレ飲んで、お昼ご飯食べてその後果物食べて、夕飯食べてちょっとアイス食べて、こんな感じで食べたり飲んだりする平均的な日常でしょう。脱灰というのは食べたり飲んだりした回数分だけ必ず起こります。その人の飲食の食生活、日常生活がダイレクトに影響を与えます。再石灰化というのはいろんなことの積み重ねで、再石灰化が起こります。虫歯になるかどうかは、脱灰の方が上回っているのか再石灰化が上回っているのか、どっちが強いかによってのパワーバランスで決まります。