成人歯科検診(予防及びクリーニング)

「歯を残せる人、残せない人」

「歯を残せる人、残せない人」

80歳で自分の歯が残っている本数の平均は、日本人は9本に対しスウェーデンでは21本も歯を残せるのです。(どちらも最大で32本)
日本人はほとんどの人が最終的には入れ歯(義歯)に頼る生活になってしまいます。 残念なことに60歳から平均年に1本ずつ歯が失われていき、気づいた頃にはもう手遅れとなり、総入れ歯に1歩ずつ近づく方がほとんどです。
しかし、80歳になっても全て自分の歯をきれいに保ち、毎日美味しく食べて元気に笑いながら過ごしている方も少数ですが確実にいらっしゃいます。
では、歯を残せる人と残せない人の違いはどこにあるのでしょうか。 2つに大別しましょう。

1.歯周病

  • しみる
  • 痛い
  • 腫れる
  • 膿が出る
  • 口臭
  • 血が出る
  • 歯並びが悪くなる

などの症状を伴いますし、最近の研究結果にて歯周病菌が糖尿病や心臓病、肺炎や心内膜炎にも関係があることがニュースに取り上げられたりもしております。
軽く「しみる」「痛い」などの症状は我慢をしたり見過ごしたりしてしまいがちですが、歯周病が進むと、膿が出たり口臭がするようになち、虫歯以上に体にも精神的にも大きな負担をかける病気です。
一番恐いことは、歯を支えている骨を溶かしてしまうことです。 一度溶けてしまった骨は再生されることはありえません。 そして特に自覚症状も表れず進行してしまうことがほとんどです。
自覚症状(腫れた、グラグラする、咬むと痛い)が表れる頃は歯周病の中期から末期であり、治療の手段が残されていない場合がほとんどです。 歯を残せる人と、残せない人の境界線は、特にこれといった症状がなくても自身の歯を守るために歯科医院に足を運べるか、症状が出現し、ようやく歯科医院に足を運ぶかの間の線なのではないでしょうか。 そして正しい知識をわかりやすく伝え、専門的な見識で一人一人に最適なアドバイスができるパートナーの有無こそが、80歳になっても今と変わらない食べる楽しさと美しさを持つ秘訣です。 定期的に歯科検診・クリーニングを受けている人の割合がスウェーデンでは90%であるのに対し、日本ではたったの2%しかいないのです。 ほとんどの人が定期的に歯科医院に行っているスウェーデン。 一方、100人に2人しか歯科医院に行かない日本、80歳での残存歯数21本対9本は当然の結果です。

2.虫歯

歯を失う大きな理由のもう一つが「虫歯」です。 成人しているほとんどの人が、過去に虫歯の経験があるのではないでしょうか。 削って、詰めて、銀歯をかぶせて、痛みが取れたら「治った」と誰もが感じていると思います。 そしてまた虫歯になったら歯科医院で「歯を削る」という治療を行います。
医療技術の進歩により、精度の高い治療で限りなく痛みが少なく、削る範囲も狭くすることができるようになりましたが、削ってしまった自分の歯が自己再生することはありません。 削って治す、削って治すを繰り返した結果、最後には自分の歯がなくなってしまうのです。
虫歯や歯周病に「ならないために一番効率よく、一番楽な方法」を実践していただくことが横浜歯科クリニックの役割です。 教科書通りに毎日たくさんの時間や労力をかけて歯をきれいにすることは、日常を考えると継続が困難であると思います。 患者さんに最低限の負担で最も効率のよい「楽しくて健やかな状態」で一生過ごしていただくために横浜歯科クリニックでは、一人一人の生活環境やお口の中の状況に合わせた予定プランを立案して、スタッフ一同が「自分の体だったらどうするのか」を考えながら生涯のパートナーを目指しております。

◎成人予防治療内容

(※保険適用ですべて行えるわけではありません。自費のオプションメニューも含まれています)

1.検査(視診及び口腔内の写真撮影)

検査(視診及び口腔内の写真撮影)

お口の中の状態を確認いたします。 変化がないかを確認し、比較するために「口腔内(お口の中)写真」を撮らせていただきます。

2.歯の染め出し

磨き残しがあるかどうかは、肉眼では確認しづらいことです。 当院では染め出しを使って歯の汚れの状態をチェックし、しっかりと除去します。

見えないバイオフィルム、見える化してやっつける!
当院では、バイオフィルムを見える化して徹底的に破壊します。 虫歯と歯周病の原因、バイオフィルムは増殖して大きくなると肉眼でもはっきりわかりますが、増殖し始めた初期のバイオフィルムを肉眼で確認することはとても難しいことです。 でも、この初期のバイオフィルムのうちにブラッシングやPMTCにより除去することで、虫歯や歯周病を進行させずに予防することがきるのです。 このバイオフィルムを見える化するのが染め出し検査です。
染め出しで磨き残しがわかります
毎日しっかり歯磨きをしているのに虫歯や歯周病になってしまう方の多くは、磨き残しをしているためです。 バイオフィルムを染め出しすると、歯並びや歯の形態、歯を磨く癖などにより、どこを磨き残しているかがわかります。 磨き残しの状態により、より効果的な歯磨きの仕方をアドバイスします。
付着した時期も考慮します
磨き残しがあるからいけないと単純に判断するのではなく、バイオフィルムの付着した時期もチェックすることで全体的に判断しています。 当院で使用する染め出し液は、バイオフィルムの付着した時期により色が変わります。 古いバイオフィルムは青く、新しくなるに従い紫から赤に変わります。 ごく狭い範囲であっても青い磨き残し=時間がたった磨き残しであれば、「いつも磨けていない場所」と考えられます。 注意して指導するなどの対応をしています。

3.PMTC

PMTC

バイオフィルムを衛生士や歯科医師が機械によって取り除き、虫歯と歯周病を予防する方法が、スウェーデンで開発されたPMTCです。

虫歯と歯周病の原因、バイオフィルムを徹底破壊!
虫歯と歯周病は、バイオフィルムが大きな原因となります。 このバイオフィルムを取り除かなければ、虫歯と歯周病の予防はできません。
バイオフィルムは虫歯菌の棲み家
バイオフィルムは虫歯菌の一種であるミュータンスレンサ菌が分泌するネバネバした物質によって作られます。 ミュータンス菌が歯の表面に密集してコロニー(群)を作り、分泌物でバイオフィルムを形成します。 バイオフィルムはラクトバチラス菌などの様々な細菌を取り込みながら増殖し、歯の表面を覆っていきます。 プラーク(歯垢)とも言われます。 バイオフィルムの中で増殖した細菌が糖と結びついて作り出した酸が歯を溶かしてしまうのが「虫歯」です。 また、歯周病の原因菌もバイオフィルムの中で増殖します。
ブラッシングやデンタルリンスでは除去しきれません
ネバネバしたバイオフィルムは歯の表面に強固に付着しているため、毎日ご家庭で歯磨きをしていても、完全に除去することはできません。 ブラッシングをしっかりしている方でも染め出しでチェックするとかなりの磨き残しがあるくらいですから、洗口剤(デンタルリンスやマウスウォッシュ等)で口をすすいだだけではバイオフィルムを落とすことはできません。 また、抗菌効果をうたう洗口剤がたくさん市販されていますが、口の中の細菌量を一時的に減らすことはできても、抗菌剤に対する対抗性が強いバイオフィルムの中の細菌にはほとんど効果がありません。 バイオフィルムをしっかりと除去するためには、プロフェッショナルケアが必要です。
プロフェッショナル・クリーニング PMTC
プロフェッショナル・クリーニング PMTC
バイオフィルムを取り除いて虫歯や歯周病を予防するために、PMTCというプロフェッショナルケアをおこないます。 PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの頭文字です。 プロフェッショナル=歯科衛生士や歯科医師(主に歯科衛生士)によるメカニカル・トゥース・クリーニング=専用の器具を使っておこなう専門的な歯のクリーニングをすることで、ブラシやラバーカップを使って歯と歯の隙間や歯と歯茎の間のバイオフィルムまで丁寧に落としていきます。 様々なブラシ・チップで丁寧に落とします。 PMTCでは、まだ歯石になる前のバイオフィルムをハンドピースにつけたブラシやチップで取り除きます。 このブラシやチップがきちんとハト派の隙間や、歯と歯茎の間まで届かなければ、やはり磨き残しが出てしまいます。 当院では、ブラシの種類を多数用意してどんな歯面の形態に付着したバイオフィルムでも落とせるように準備しています。
磨き残しがないよう、染め出しでチェックします
肉眼で確認できなくても、バイオフィルムが歯の表面に残っていることがあります。 バイオフィルムが残っていると、虫歯や歯周病の原因となってしまいますので、磨き残しがないよう、当院では歯垢の染め出し剤を使ってチェックします。 詳しくは歯の染め出しをご覧ください。
歯を強くするフッ素コーティング
PMTCの仕上げには、歯を強くする効果があるフッ素をコーティングします。 フッ素が歯にしみこむまで、フッ素塗布後1時間程は食事を摂らないようにしてください。 詳しくはフッ素の使用をご覧ください。

4.ブラッシング指導

毎日歯磨きをしているのに虫歯になってしまった、という経験はありませんか? 原因菌をしっかり取り除けるよう、正しいブラッシングを身に付けましょう。

普通の歯ブラシで磨けるのは58%まで
歯間部の歯垢除去率
検査(歯間部の歯垢除去率)
普段使われている普通の歯ブラシは全ての歯を大まかに磨くことは適していますが、 歯と歯の間や歯と歯肉の間を磨くことはあまり得意ではありません。 研究によりますと、歯ブラシだけで歯を磨くと58%しか磨くことができません。 そこで補助的清掃用具としてフロス、歯間ブラシ、タフトブラシにより歯と歯の間や 歯と歯肉の間、一番奥に生えている歯の奥側などを磨く必要があります。
補助的清掃用具の種類
フロス・糸ようじ
細い糸を束ねたもので、歯と歯の間に通して汚れを落とします。 勢いよく通すと歯茎を傷つけてしまうことがありますので、フロスを前後に動かしながら ゆっくりと通していきましょう。 最初のうちは出血することがありますが、これは溜まっていた汚れが原因で歯茎に 炎症が起きているせいです。 フロスを使い続けて歯と歯の間が清潔になって炎症が治まれば、徐々に出血しなくなります。 糸だけのものと柄がついたものがありますが、ご自分が使いやすい方を選んでください。
歯間ブラシ
細い針金状の小さなブラシで、歯と歯の間や歯と歯茎の間を清掃します。 大きなサイズのものを無理に使うと歯茎を傷つけてしまうことがありますので、ご自分の歯に 合ったサイズを選びましょう。 強くこすり過ぎると歯自体を傷めることもありますので、注意してください。
タフトブラシ
先端が円錐状になっている一本型の歯ブラシです。 普通の歯ブラシが苦手とする歯と歯あるいは歯と歯茎の境目の汚れを落とすのに適しており、 口の奥まで入れやすいので、磨き残しやすい一番奥の部分まできれいに磨くことができます。 先端の尖った部分が潰れてしまうと汚れが落ちにくくなりますので、軽く細かく動かすようにしてください。
正しく磨くためのブラッシング指導
正しく磨くためのブラッシング指導

毎日時間をかけて歯磨きをしていても、磨き残しがあれば虫歯・歯周病のリスクが高まります。
磨き残しが出てしまう理由のひとつは、「正しく磨けていない」ことです。 歯ブラシが届きにくい磨きにくいところや歯と歯茎の境目を磨き残していることが多いのですが、 歯ブラシの動かし方が悪くて歯の汚れが残ってしまっているケースも少なくありません。 歯磨きをしているのに虫歯や歯周病になりやすいという方は、歯ブラシを力強く大きく動かしていませんか?
小学生くらいまでは授業の一環として歯磨き指導を受けた方も、成人になってからはほとんど 自己流で歯磨きをしています。
磨き残しが出てしまう理由のもうひとつは、「歯ブラシがお口に合っていない」ということがあります。 成人になってからも定期的に歯の磨き残しをチェックして、歯の状態に合わせてどのようなブラシを 使用するべきか指導することも予防歯科において重要なのです。

5.フッ素の使用

当院では虫歯の原因を取り除く(細菌の除去)だけでなく、フッ素を有効利用して、虫歯になりにくい 強い歯作りもおこなっています。
フッ素イオンで歯を強くする!
フッ素イオンで歯を強くする!

当院では、初期治療やメインテナンスの時にPMTCでバイオフィルムを除去し、フッ素洗口やフッ素塗布 などにより歯を強くしています。
特に歯根のセメント質は歯冠部に比べて虫歯菌の酸に対して弱く溶けやすいので、歯周病になると 歯根部の虫歯になる確率が上がります。
当院では歯周病の方の歯根の虫歯を予防するためにも、フッ素の使用が必要だと考えています。

歯を守るフッ素イオン

フッ素イオンには、歯を守ることができる様々な性質があります。

歯を溶けにくくする
フッ素イオンが歯に取り込まれると、歯の表面の結晶が安定し結合が強くなります。 結晶の結合が緊密であると虫歯菌の出す酸に対する抵抗力が強くなり、溶けにくくなります。
細菌が酸を出しにくくする
フッ素イオンは歯を強くするだけでなく、歯の表面に付着するバイオフィルムの中の最近の活動性を低下させます。 細菌が酸を出しにくくすることにより、虫歯になりにくい環境を作ることができます。
知覚過敏を抑える
歯周病になると歯肉が下がり歯根が露出してきます。 歯根が露出し始めると知覚過敏といって冷たい飲み物や空気がしみるようになりますが、フッ素イオンには 外部からの刺激を遮断して知覚過敏を抑える働きもあります。
フッ素の安全性について
フッ素の体への影響についてお問い合わせを受けることがありますが、虫歯予防に用いられるフッ素は 正確にはフッ素をイオン化させた「フッ化物」で、人体への有害性が指摘されているフッ素とは性質が 異なりますのでご安心ください。 フッ素はイオン化して使用することで、全身に悪影響を及ぼさず歯を強くすることができます。 当院では歯磨き粉やうがい薬としてフッ素イオンを有効的に利用して、歯を虫歯と歯周病から守ります。
衛生士がフッ素の使い方をアドバイス
衛生士がフッ素の使い方をアドバイス

虫歯・歯周病予防で最も大切なのは、患者さんにご家庭でおこなっていただくセルフケアです。
フッ素も歯科医院での処置の際にのみ使用するのではなく、毎日のブラッシングでもフッ素を使っていただいています。
当院ではお口のケアを担当する衛生士が、患者さんがご家庭で使いやすいフッ素の使用方法を考えてアドバイスいたします。 例えば歯磨きの仕上げに使うフッ素ジェルには様々な種類があり、患者さんの好みも様々です。 甘い味の方が使いやすければフルーツ味などの甘い味のものをお勧めたり、味がない方が良い方には味のないフッ素洗口剤を処方します。
衛生士がフッ素の使い方をアドバイス 続けていただくことが大切ですので、ご希望や不安、わからないことがあれば担当衛生士にご相談ください。

6.リスクチェック

ご自宅でできる虫歯予防方法の説明。 お家でもできる虫歯予防方法はたくさんあります。 虫歯の原因は細菌ですが、生活習慣病と言われるだけあって、日常生活に問題がある場合も多いのです。 お家での生活や食生活などを聞かせていただき、何が原因で虫歯のリスクが上がっているかを調べます。 食事や間食の取り方が悪いと、歯磨きをしていても虫歯は出来てしまいます。 間食を取ってはいけないわけではありません。 ちょっとしたコツを掴めば、食べる量を変えなくてもリスクはぐっと下がります。

7.ダイアグノデント(虫歯の検査)

「なるべく虫歯を削らずに治す」を実現するために、歯を傷つけずにレーザー光で虫歯を数値化する検知器を用いて、客観的な診断をおこなっています。

虫歯をレーザーで評価する
虫歯は、早期発見し早期に削って詰めるのではなく、早期に発見しその進行を抑制していくことが歯を長持ちさせる上で大切です。 削る必要がある虫歯かどうかを診断するために、当院ではダイアグノデントというう蝕(虫歯)検知器を用いています。
これまでの虫歯検知法の欠点
これまでは、虫歯を発見すると探針という金属製の針で虫歯と思われる部位を刺して、その柔らかさで虫歯の進行を確認していました。 しかし、このような検査では探針により歯に穴があいてしまうため、虫歯の進行を早めてしまいます。 最近では、特に虫歯になりやすい子どもの歯への影響は大きいと一般的にも考えられるようになっており、日本学校歯科医師会では 学校歯科健診時に探針を用いる際には最新の注意を払うように指導をしています。
歯に負担をかけない虫歯検知器・ダイアグノデント
探針に代わり、歯に穴をあけずに診査する方法として、レーザー光による虫歯診断法が注目されています。 虫歯の疑いがある部位にレーザーをあてると、その反射した波長を数値化することで虫歯の進行状態を評価することが可能です。 このレーザー光による虫歯診断をおこなう虫歯検知器がダイアグノデントです。 もちろん、ダイアグノデントの数値だけで診断をおこなうわけではありません。 ダイアグノデントにより虫歯の進行状態を評価し、唾液検査やX線写真検査、また歯科医師が直接お口の中を拝見する視診などの 結果から総合的に判断して診断します。 その結果、従来は削って治療していた虫歯についても、削らずに虫歯の進行を抑制していくことができるようになりました。