咀嚼能力が落ちると筋肉・体力はどう変わる?

「サルコペニア」という言葉、聞いたことありますか?加齢で起きる筋肉量と筋力の低下のこ とで、よく噛めないお口は、じつはサルコペニアの重大なリスクなんです。 筋肉の主成分はタンパク質。タンパク質の摂取が不足すると、「サルコペニア」になりやすい ことをご存知でしょうか。 サルコペニアとは、年齢によって生じる筋肉量・筋力の低下のことで、高齢者の体力や運動機 能を急激に低下させる、転倒や寝たきりの原因として非常に問題視されています。 摂取したタンパク質を使って効率よく筋肉量を維持するには、野菜に豊富に含まれるビタミン やミネラルも欠かせません。たとえばビタミンEは筋肉増強効果を、ビタミンB6は筋肉の分解 と合成を、マグネシウムはタンパク質の退社を促進するという重要な役割を担います。野菜が 足りないと、筋肉を維持するのにとても不利なんです。 前ページでもお話ししたように、奥歯を失うと、よく噛まないと食べられない肉や野菜が苦手 になるかたが多いです。年齢を重ねるほどお口の健康がからだの健康に大きく影響すること を、ぜひ知っていただきたいと思います。 脚が細くなった、体重が減ってダイエットできたと喜んでいたら、じつはたんに筋肉量が減っ ただけで、サルコペニアに陥っていたというケースもめずらしくありません。ご自分でも簡単 にできる「サルコペニア度チェック」をお教えしますので、ぜひ試してみてください。 そして、しっかりと栄養の摂れるお口に戻すにはどんな治療法があるのか、どんな治療法がご 自分にあっているのかを歯科医院でご相談いただきたいと思います。 これは怖い!サルコペニア肥満 サルコペニアのなかでも深刻なのが、「サルコペニア肥満」と呼ばれる状態です。よく噛めな いために軟らかい食事を好み、糖質偏重の高カロリー低栄養食が続くと、肥満して血糖値と体 脂肪率が上がり、糖尿病や動脈硬化の発症(重症化)のリスクも上昇します。そのうえタンパ ク質と野菜の摂取不足によって筋肉が痩せて体力が落ちてしまうと、持病の悪化と体力の低下 というダブルパンチに。食事の改善が急務です。