生涯にわたり自分の歯で食べることは可能か?それとも幻か?

生涯にわたり歯を1っ本も失わない「KEEP28」の実現を当院は目指しています。 人間は28本のはをもってます。そして「メディカルトリートメントモデル」の実践で28本の歯を健康な状態に保てます。 80歳で28本の自分の歯を持っている人が増え始めているそうですが、誰もが28本の歯を持ち続けることは可能なのでしょうか? 実際に親知らずを除くすべての歯を一本も失うことなく、若々しい歯並びの方が数多くいらっしゃいます。このように28本の歯を生涯にわたって残すことを私たちは「KEEP28」と名付けて、その実現を目指しています。全国的に見ると80歳で28本の歯を持っている方は少ないのが現状です。 今から約30年前、日本歯科医師会と厚生省(現厚生労働省)が、80歳で20本の歯を残す「8020運動」というキャンペーンを始めました。当時としては、相当高い目標でした。 しかし、北欧の国々のデータが、後期高齢者(75歳以上)が28本の歯を残せることを証明しています。もう20本で妥協する必要はありません。 一方、最近の調査から人生は100年を超えることが予見されています。政府は「人生100年時代構想会議」を開催して、人生100年時代を豊かにする政策が議論されています。 健康寿命を延ばすためには、きちんと噛める歯を生涯にわたって健康な状態に保ち続けることが重要です。これは歯科医療の究極の目標と言えるでしょう。口の中の健康と全身の健康は互いに影響し合うことが明らかになってきたことからも、私たち歯科医の責任は重大です。 では、28本の歯を守るためには、どのようなことが必要なのでしょうか? 約40年前のスウェーデンの研究で、年に1度の検診と必要に応じた歯科治療を行うグループと、歯磨き指導やバイオフィルム(プラーク)除去を含む口腔内メインテナンスを行うグループを6年間追跡して、比較した研究があります。メインテナンスを行ったグループでは6年後にむし歯はほとんどできず、歯周ポケットは比較試験開始時より大幅に改善していたのに対して、検診と治療だけを行ったグループでは、むし歯がいくつもできて、歯周ポケットが進行していました。検診だけではむし歯や歯周病を効果的に防げないことが示されたわけです。 口腔内のメインテナンスは、むし歯や歯周病の原因をなくすなど、歯を失うリスクを低減するものです。私たちや一緒にスタディーグループで学んだ歯科医師や歯科衛生士は北欧の国々で培われたこうした予防歯科の方法を実践しています。 その方法は、むし歯や歯周病の「原因を除去する」という、医学的には当たり前の考えに方に基づくため「メディカルトリートメント」と呼ばれています。 「メディカルトリートメントモデル」では、治療のために来院された患者さんの主訴(訴え)を聞いて歯の状態を確認したら、まず必要な検査を行って、歯を失う2大要因であるむし歯や歯周病へのかかりやすさのリスクを判定します。 リスクの大小は、間食は多いか、糖類の摂取は多いかなどの生活習慣、バイオフィルムの付着や特定のむし歯原因菌の増加といった口の中の汚染状態、フッ化物の使用や唾液の量などからみた防御力の状態などから判断されます。患者さんごとにそれぞれのリスクは異なるので、リスク低減のための指導内容も当然異なります。 この指導に沿って、患者さんが自主的に生活習慣の改善や歯磨きなどのケアを行うことで、口腔環境が改善し、むし歯や歯周病にかかるリスクが減った時点で、初めて必要な治療を行います。緊急に対応せざるを得ない治療は、口腔環境の改善を待たずに行いますが、原因究明と原因の除去が行われていないと治療を終えた直後から再発が始まると考えられるので、基本的には口腔環境の改善を先行させます。 治療後も、定期的に、継続的に通院してもらい、治療結果やホームケアをモニターするとともに、日常の歯磨きなどで取り切れないバイオフィルムの除去などのメインテナンスを行います。ここまでのセットが「メディカルトリートメントモデル」で、歯を守るために必要な診療です。 すぐに治療を始めないと、もどかしさを感じる患者さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 患者さんの中には、「治療してもらいに来たのだから治療を」とおっしゃる方もいらっしゃいます。ですが、検査結果を示しながら、口腔環境改善の重要性を説明すると納得していただけます。 また、通院されるごとに検査して口腔環境が改善していることをお知らせすると、リスクが低減していく効果を実感して、歯磨きなどのホームケアにより積極的に取り組めるようになります。 その結果、お子さんなどご家庭を連れて来院されるようになったり、お知り合いに紹介されたりと、予防歯科の輪が拡がってきました。 「メディカルトリートメントモデル」の開始は、早ければ早いほど有効だと考えられます。しかし、現在80歳の患者さんで、中高年になってから始めた「メディカルトリートメントモデル」の効果でむし歯や歯周病の再発や進行を抑えられ、治療済みの歯も含めて28本の歯を持ち続けている方もいらっしゃいます。 “症状が出てから受診する”従来型の歯科医療から“症状が出ないように受診する”予防型の歯科医療への転換を目指して、さまざまな方々、組織と連携しながら「KEEP28」を広めていきます。メディカルトリートメントモデルについては、当院のホームページに詳しく記載されてますので、そちらを 参考にしてください。