赤ちゃんのむし歯予防は妊娠中から

〇感染の窓をいったん閉じれば、ずっとむし歯菌には悩まされない   お母さんやお父さん(保育に携わる人)が、自分の口の中のむし歯を少なく保っていれば、赤ちゃ   んへのむし歯菌の感染の危険は、赤ちゃんが大きくなるまでずっとつづくわけではありません。生 後19?31ヶ月の一年間に、感染が成立するといわれています。この時期を専門家は「感染の   窓」と呼んでいますが、この間だけ、しっかりと窓を閉じておけば、その後はずっとミュータンス   菌が感染しにくくなるのです。 逆に、この時期にお母さんの口の中にたくさんの虫歯菌がいたら、生えたばかりの赤ちゃんの歯   に、ほとんど間違いなくむし歯菌が定着します。この時期に悪玉菌が定着してしまうと、その子ど   もの口の中は、悪玉菌の天下になってしまいます。そうなってしまうと、その後いくら歯みがきを   してもむし歯菌は容易になくならないらしいのです。   〇妊娠初期に早くも歯ができ始める   妊娠5?9週の、まだ赤ちゃんが指先ほどの大きさのとき、赤ちゃんのアゴの骨の中で乳歯の卵が   でき始めます。妊娠16週には、もう大人の歯(第一大臼歯)の卵がかたちづくられます。   この時期は、赤ちゃんのからだの主要な部分ができる時期ですから、お母さんの健康と栄養がとく   に大切です。栄養の不足は、胎児ではなく、まず妊婦のからだにダメージを与えます。しかし、ビ   タミンAやDの不足は、胎児の歯やアゴの骨の正常な発育を妨げます。   〇妊娠を知った日から口の中の衛生に気を配る   妊娠、出産、授乳、この時期は、妊娠初期のつわりに始まって、味覚の変化、体調の変化が大き   く、食べ物の好みも偏り、食事も不規則になります。カルシウムは、赤ちゃんに奪われます。出産   は、歯を食いしばらなければなりません。出産後は、出産による疲労、育児の忙しさと疲れのため   に、お母さんの口の中の衛生状態は、どうしても悪くなりがちです。   妊娠を知ったその日から、出産に備えて、お口の衛生に気を配る。これが赤ちゃんのむし歯予防に   とても効果的な第一歩です。   〇痛みナシ、問題ナシの子どもに育てるために   ニューヨーク州歯科医師会のホームページに掲げられている「痛みナシ問題ナシの子どもに育てる   10箇条」の第一条は、「お母さんは妊娠中、自分の口の中を清潔にし、治療を受けておく」、第   二箇条は「最初の乳歯は生え始めたとき、または赤ちゃんが1歳になるまでに歯科を受診する」で   す。   幼児になって、むし歯の痛みを感じてからはじめて歯科を受診することになったら、きっとそれは   不安で怖いでしょう。悪くなってからの受診は、とてもむずかしく、子どもの協力がない限り、質   の良い治療もできません。歯科に怖いイメージをいだかせないためにも、何でもない赤ちゃんのと   きから健診のために歯科を受診しましょう。