予防歯科(歯を長持ちさせる)真髄はバイオフィルムの除去です。

〇バイオフィルム感染症  

バイオフィルムができるまで

むし歯と歯周病は、バイオフィルム(むし歯菌や歯周病菌の塊) によって生ずる感染症です。バイオフィルム感染症は、よく知   られるほかの感染症と違って、病気の発症にいくつかの要因が関係したり、あるいは薬がほとんど   効かないという特徴があります。   バイオフィルム感染症の最も確実なコントロール方法は、定期的にバイオフィルムを機械的な方法   で破壊し、除去することです。歯科で、定期管理が特別な意味をもっているのは、このような理由   からなのです。バイオフィルムができやすい尿道カテーテルやコンタクトレンズも何ヶ月もからだ   の中にあるなら必ず定期管理が必要でしょう。   〇リスクを知れば確実にコントロール   細菌感染によって起こる病気は、急性、慢性、バイオフィルム感染症のように分けて考えられま   す。   バイオフィルム感染症や慢性細菌感染症は、細菌だけで発症するわけではなく、ストレスや生活習   慣などのリスク因子が関係します。このため、胃潰瘍の場合のように、細菌以外の要因が強調され   るケースがあるのです。   むし歯と歯周病は、このバイオフィルム感染症の代表格なのです。ここに、むし歯と歯周病の二つ   の病気の大きな特徴があります。それは、さまざまな要因が複雑に重なりあって起こる病気で、薬   が効かず、ハッキリとした自覚症状によって病気に気づいたときには元どおりに治すことができな   い、という特徴です。   〇定期管理に勝る対策はない   ほとんどの人の場合、健康な日常の生活習慣(禁煙、規則的な食事、口の中の清掃)の維持と数ヶ   月に一度の専門的な清掃によって、ほぼ確実に病気をコントロールできます。しかし、この定期管   理という方法は、ほかの病気の管理法や治療法と違うので、この簡単なことが、一般の人たちはも   ちろん専門家にもなかなか理解されません。悪いところもない、病気でもないのに定期的に歯科医   院に通う必要なんてないと思ってしまうのです。しかし、このバイオフィルム感染症は定期管理に   勝る対策はありません。自分で自分のからだのリスクを理解し、定期管理を受ければ、リスクの高   い人でも、合理的に病気をコントロールすることができます。